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電撃FCI The episode of SEGA

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Stage1 青き閃光と空間移動能力者(テレポーター)


 ヤシの木が立ち並び、ヒマワリの花が咲き、トーテムポールまで立つ緑の草原地帯、グリーンヒルゾーンに、一人の少女が立っていた。
 少女は、少しカールのかかった髪をツインテールにし、半袖のブラウスの上にベージュのベストを身に着け、膝上丈のミニスカートを穿いている。
 健康的な脚にはホルスターが巻かれ、白い鉄の針がいくつも収納されている。
 そして何より少女を印象付けているものは、右手に巻かれた緑と白の縞模様の腕章である。
 少女は人口の八割以上が学生という、学園都市の風紀委員を務める委員の一人であった。
 先に起こった絶無との戦いの後、これ以上の混乱が起こらないよう、彼女は管轄外であるこの世界でも風紀委員としての役目を全うしていた。
 この異世界の各所にて、日々私闘が行われている報せを受け、少女はその無益な争い事を止めるため、このグリーンヒルゾーンへとやって来た。
 聞くところによると最近、この場所で青色をした何かが、文字通り暴走しているとの事だった。そして妙な力で浮遊している金色のリングが、その青い閃光と共に消えているのである。
 ここでは、目で捉えるのが難しいほど速さで、何かが通りすぎているのが確認されているという。
 何かの拍子に事故が起こらぬよう、少女はここでその暴走するものの正体を突き止め、新たな争いのもととならないようにしようとしていた。
 そしてこの時、青い閃光が駆け抜ける時間がやって来た。
――来ましたわね……――
 少女は右足のホルスターから鉄の針を三本取り出し、右手の指の間に挟み込むように持った。
 まるでジェットコースターの線路のようにループした道さえものともせず、青い閃光はリングの浮遊する道を駆け抜けている。
 青い閃光と接触するまで数百メートルに迫った瞬間、少女は演算を開始する。
 鉄の針を一度、十一次元へと移動させ、三次元の任意の場所へと触れている物体を飛ばす。
 これが少女の持つ超能力、空間移動(テレポート)であった。
 少女は針を空間移動(テレポート)させた。
「止まりなさい!」
 針は少女から十五メートル先の地面に突き刺さる。
「おわあっ!?」
 疾走する青い閃光は針に触れてしまい、停止を余儀なくされた。
 すかさず少女は、青い閃光の正体に向けて右腕の腕章を見せ付け言い放つ。
「ジャッジメントですの! 近頃この付近で暴走しているのは……」
 少女の語尾はだんだん小さくなった。それは予想外のものに出会ったためである。
「あいててて……」
 疾走していた青い閃光は、尻餅をついて腰をさすっていた。辺りにはリングが散乱している。
 少女が出会ったもの、青い閃光の正体は、なんと人間ではなかった。
 全身が青い被毛に包まれ、頭から背中にかけて針があり、体長は一メートル前後である。
 犬のように鼻と口が繋がっており、耳は頭のてっぺんにある。
「な、なんですの、この生き物は!?」
 少女は完全にあわてふためいていた。
「Hey,you! せっかく人が気持ちよーく走ってたってのに、その言い草はないだろう!?」
 青い、人ではない者は、人語を話し、英語混じりに抗議する。
「な……!? しかも喋るなんて、ますます有り得ませんわ!」
 少女の驚きは増すばかりであった。
「……っ! つくづく失礼な奴だな。オレの名前はソニック、ソニック・ザ・ヘッジホッグ、音速のハリネズミだ」
 青い閃光の正体は舌打ちし、名をソニックと言った。
「……全く、もうちょっとでHigh score更新だったってのに、またやり直しじゃねえか……」
 ソニックはぶつぶつ文句を言いながら、鼻先を掻く。
「ていうか、お前の方は何て言うんだ? Judgementってのは名前じゃないだろ?」
 少女は、はっとなった。風紀委員でありながら、学園都市でも上級に位置する、常磐台中学校の生徒として、呆気に取られていたとはいえ礼儀を欠いていた。
「コホン……これは失礼いたしましたわ。わたくしの名は白井黒子。常磐台中学の一年生で風紀委員(ジャッジメント)を務めておりますの」
 少女の方も白井黒子と名乗る。
「白井、黒子……へぇ、White and Blackが名前なのか、洒落てるねぇ。クロコって呼ばせてもらうぜ」
 ソニックは少し機嫌を直し、笑った。
「誉め言葉として取っておきますわ。それよりも、ソニックさんと仰いましたわね? 貴方は何故近頃この付近を暴走……いえ、それ以上に訊くべき事がありますわね……」
 黒子は不思議に思った。
 ソニックは自らをハリネズミと言うものの、黒子の知っているハリネズミは青くないどころかここまで大きくない。
「貴方、本当にハリネズミですの? ハリネズミをモチーフにした機械の類いではありませんの?」
 直りかけたソニックの機嫌がまた悪くなる。
「オレをエッグマンのメカと一緒にするな。オレは正真正銘のハリネズミ、ソニックだ。覚えておきな!」
 ソニックは指をさしてきた。
 ここまで言われてそれでもなお、黒子には信じがたい事だった。おまけに聞いたことのない人物の名前まで出された。
「ふむ……細かいことをこれ以上追求しても埒があきませんわね」
 黒子は思い、本題に入ることにした。
「ソニックさん、貴方近頃この道を暴走していらっしゃいますわね? 一体どうしてそのような危険なことをなさっておりますの?」
 ソニックは両手を広げる。
「おいおい、暴走だなんて人聞きの悪い、オレはただこのZoneを走ってただけだぜ。ちゃんと範囲だって守ってる。コースアウトしたのは今日が初めてだ」
「むう……ですが話によりますと、ここに現れる青い閃光が起こす風のせいで、デュエルが打ち切られてしまったと……」
 ソニックは更に大きなため息をついた。
「クロコ……Judgementが治安を守るってんなら、オレにかまってないで、コースの外でBattleしてる奴らを気にした方がいいんじゃないか?」
 黒子はむっ、と言葉に窮してしまった。確かにソニックの言う通り、治安維持するためならば、絶無がいなくなった後もこの世界で起きる私闘を止めるべきである。
 しかし、私闘はこのグリーンヒルゾーンのみならず、様々な場所で行われており、それらを止めようにも如何せん人手が足りない。
 そのためにまずは、小さな出来事から片付けようと決め、こうして青い閃光の正体を突き止めようとしていたのだった。
「……確かに貴方の言う通りではありますが、小さな火種を消すことも必要……ってあれ!?」
 黒子が色々考え込んでいる間に、ソニックは忽然と姿を消していた。
 まさか逃げられたのか、と黒子が辺りを見回すと、ソニックはコースの上、地面に突き刺さる黒子が放った鉄の針を興味深く見ていた。
 指先でちょんちょんとつついているかと思うと、針の先端をつまみ、引き抜こうとした。
「あれ、くそっ……!」
 鉄の針は地面に刺さっているというよりもめり込んでおり、どんなに力を込めてもびくともしない。
「ソニックさん? 何をしておりますの?」
 黒子は近寄りつつ訊ねる。
「オレの事はソニックでいい、それよりクロコ、どんな力でこいつを飛ばしたんだ? そうとう深くめり込んでて抜けそうもないぜ」
作品名:電撃FCI The episode of SEGA 作家名:綾田宗