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かなりえずき
かなりえずき
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【バトン小説】続・名作小説の続き!

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自分の家のポストに分厚いハードカバーの本が届いていた。
普段、本になってる小説なんて買わないし
俺が読むのはもっぱらネットの小説だ。

だから、こんな本を注文した覚えはなかった。

「間違って宅配されたのかな」

本の表紙には『バトン小説』と書かれている。
都市伝説だと思っていた現象がまさか本当に起きるなんて思いもしなかった。

「ま、まさか……!
 俺が、俺が次のバトン小説の編集者になれるのか!?」

バトン小説。
人々の間をリレーして書いていく小説で人気だった。
ネットでもこのバトン小説を自称する作品があふれかえるくらいだ。

でも、本物のバトン小説は本でやってくる。

「こんな名作に関われるのか!」

俺はもちろん、バトン小説に参加するつもりで本を開いた。

 ・
 ・
 ・

本を読み終わると、さっきまでのやる気は一気に削げ落ちていた。

「た、楽しい……面白すぎる……」

いくつもの人の手を渡ったバトン小説は、
話がブレることもなく面白さが継ぎ足されていっている。
それも後半になるにつれどんどん面白くなる。

本の後半部分はまだ白紙。

ここに俺が書けるだろうか。
バトン小説の面白さを潰してしまわないだろうか。

でも、バトン小説に参加できれば間違いなく小説家として飛躍できる。

「……こんなチャンス、二度とない。
 もう売れないネット小説家から卒業するんだ!!」

勇気を振り絞ってバトン小説の参加を心に決めた。


――数日が過ぎた。

バトン小説の余白はいっこうに文字が埋まらない。
筆が進まない。スランプどころかボイコットだ。

「ダメだ……いざ参加はしたものの、
 このクォリティのものを作れるはずがない……」

このままじゃ小説家として名声を上げるどころか
バトン小説に泥を塗った大罪人として扱われるだけだ。

やっぱり参加しなかった方がよかったんじゃないか。
あのままバトン小説を別の誰かに流した方がよかったんじゃないか。

そんな後悔という名の悪魔のささやきばかり聞こえてくる。


「……いや、待てよ?
 このまま書かずにバトン小説を
 ずっと手元に置いていればいいんじゃないか?」

そうなれば、"バトン小説の執筆者"という肩書きが手に入る。
最終的にバトン小説は紛失したとかでごまかせば、
実際にはなにも書けなかったことをごまかせるはず。

「あっははは! 俺って天才だ!
 小説家になるよりも、詐欺師になった方がよかったかな!」

と、自画自賛するに至った。


でも、そう上手くはいかなかった。

バトン小説の表紙にタイムリミットが表示された。
デジタル表示のリミットはどんどん数字を減らしていく。

「う、うそ!? 時間制限あるのかよっ!」

残された時間は24時間。
あまりに短すぎる。

慌てて書いたとしても付け焼刃の作品を掲載し
ひんしゅくを買うことになるのは明らかだ。

「あああ、なんでバトン小説なんて参加しちゃったんだ!
 俺の技術から考えて、できるものじゃなかったのに!!」

どんなに嘆いても書かない限り、次へは回せない。
時間は無慈悲にも過ぎていく。


どこかからコピーするか。
別の誰かに代筆させるか。
いっそ焼却してしまうか。


さまざまな選択肢が頭をかすめては消えていく。
残り1時間。

「だ、ダメだ……!
 時間がなさすぎてとても間に合わない!」

残り10分。

「バトン小説の読者を納得させるものを書かなくちゃ……。
 ああああ、でも時間が……あああ……」

残り1分。

「そうだ!!」

俺は締め切りギリギリになって、10文字を本に追記した。




続きはWEBで!!!





……その後、バトン小説の続きを自称するネット小説が
あまりに溢れかえり収集が付かなくなるのはまた別の話。