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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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春の休日

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サンデッキに出て揺り椅子に座り
つま先で床を蹴れば
透明なアクリル板のルーフから
1枚のシルクの布が肌を纏ってくれる
春を告げたこぶしの花は
柔らかな緑の葉いろにかわっている
その緑の葉の色は
ライラックの葉と同じ色
小さな白い花はレースの模様の様で
君が纏ったドレスを思い出す
この香りも君の香り
紫色の木蓮の花が果実の様に大きく見えて
マンゴーを食べたくなった
タバコをふかしていたなら
唇を丸めて輪を首飾りにしてみたい
カイドウの花はローズピンクで
存在感を示している
薔薇もビオラも視界には入らないが
春の風が香りを運んでくれる
まどろみながら揺れている
作品名:春の休日 作家名:吉葉ひろし