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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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UZEEEEEE!! かるた

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「うざうざカルタしましょう」

「ふっふっふ、お前本気かぁ?
 競技かるた歴10年の俺とかるたで勝負したいと?」

「はい」
「いいだろう、完勝してやる」

男はふふんと自信たっぷりに鼻を鳴らした。
床にはかるたが広げられる。

その絵柄は百人一首でもなければ、
ましてお正月にやる普通のかるたでもない。

「変わった絵柄だな」

「うざうざカルタなので」

「うざうざ……?」

なんだそれ、と聞く男の口を
自動再生される読み手の声がさえぎった。

『SNSでやたら更新するぅかまってちゃん~~』

「はいっ!!」

男の弾丸のような手が札をつらぬいた。

「ははは、どうしたどうした?
 全然動けなかったじゃないか」

「さすが先輩ですね」

「トーゼン。凡人とは違うからな」

「まだ負けませんよ」


読み手がどんどん札を読み上げていく。


『使い慣れていないカタカナ用語を使いまくる~~』
「はい!」

『どんなときも人の悪口ばかり話したがる~~』
「はいっ!」

『人の話を聞いて"だから?"と聞き返す~~』
「はいぃっ!!」

『"なんでもいい"と言いつつも、決めると文句を言う~~』
「はいよぉっ!!」


男の独壇場だった。
言い出しっぺの人はぴくりとも反応していない。

気が付けば、男はすべてのカルタを一人で取りつくしていた。

「はははは! 少し大人げなかったな!
 ま、勝負ってのは非情なものだからな。
 これもお前の成長を思っての全力だったんだよ」

「……そうですか」

「ところで、このうざうざかるたってのはあれか。
 うざいと思われる行為をかるたにしているんだな」

「ええ、そうです。
 でも、もうひとつだけ変わっていることがあるんです」

「まぁ、どんなかるたでも
 俺に勝負を挑んだ時点で敗北は決まりだな。わっはっは。
 ……で、もうひとつの変わってる部分ってのは?」

言い出しっぺは、読み手の音声を再生した。



「この読み手の音声、
 かるたの読まれた内容に心当たりがある人しか
 音が聞こえないようになっているんです」
作品名:UZEEEEEE!! かるた 作家名:かなりえずき