ギャン
メンヘラなんて言葉はきらいだが、そういう言葉でしかこういう人間を表現しえない、あるいは知らない人々にとってはそう言うしかないのだろう。
双極性障害Ⅱ型、及び境界性人格障害である。障害認定は2級。
木の芽時。
草木芽萌え、花咲き乱れ、鳥啼き交わし、気温も天気も安定しない。
なぜか暴れてしまう。
人がかまってくれないからと憤怒に震える時もある。
一瞬で生きる望みをまるきり失ってしまう事もある。
何十年も付き合っている病気なのにいまだ慣れない。
理解を得ることも難しい。
原家族にはいまもって、理解されていない。
理解することすら、嫌だそうだ。
若い頃から44の現在に至るまでいまだに、わたしの怒りは凄まじく、
物を破壊することもあるし、自他に多大な暴力を振るうこともある。
音がする。
胸の中で、「ギャン」と。
激震が走る。
そうなるともう止めようがない。
今の結婚が上手くいっているのは、だんなさんの精神力が強くありながら、彼がわたしと同じではないが病、うつ病を持っているゆえ、理解されているからというのが大きい。
ギャン。ギャン。
でも今日、つくしを見つけた。
ふんわか開いたチューリップも見かけた。
ちらほらの桜。
ぬるんだ風。
厳しくなくなった空。
少し、少し、少しずつ、氷が解けるように、騒ぐ心身はほぐれる。
明日またおかしくならない保証はない。
でもまた、解けることがわかっている。
だから、いい。
明日は花見へ。