四季
二人はそれを忘れました
しかし萌えだす若葉と花に喜んで
二人はまた結婚しました
夏のはじめに結婚し
またそれを忘れました
しかし木々や蝶のうるわしさを分かち合い
ただただ二人はまた結婚しました
秋になって結婚し
それは忘れられました
しかし金やライム色の落ち葉が輝くのに見とれたあと
二人は互いを金色に思い結婚しました
冬のある日
二人のうち一人がくじけました
それは残る一人の胸を引き裂き
残る一人は相手の為に奔走し
くじけた一人は申し訳なさのあまり胸引き裂かれ
二人は共に衰えました
しかしその日が来て
冬の柔らかく優しい午後の陽射しに照らされた顔を見あって
弱っていっそう強く発光する互いへの想いが
二人をいっそう美しくしているのに気づき
いとしい涙があまりにみずみずしかったので
また
その場で
二人はすぐに結婚しました