イメージ 〈詩集〉
赤い帽子とデート
赤い帽子が丸い頭に載っていて
あまりに可愛いものだから
自分も若返ったような気になる
そして和みを感じさせてくれた
出会うのが遅すぎかと思っていたが
その赤い色は歳を忘れさせる
赤い帽子を手に入れた由来を
キミが話してくれたのだけど
お賽銭のために財布を出していて
つい買った帽子の値段を手にとって
賽銭箱の前で困った顔をするキミ
その後の照れ笑いも可愛いよ
赤い帽子ばかり目に入っていて
帽子とデートしているようで
可笑しくてにやけてしまうけど
もしかしたらキミの作戦かい
歳相応のもろもろを隠すための
その作戦に乗って過ごそうか
赤い帽子が赤い綿飴を買う
赤い帽子が丸い声を出す
赤い帽子が赤い声で笑う
赤い帽子が手をつなぐ
赤い帽子とデート