イメージ 〈詩集〉
初めましてタバコの花
夕立がくるぞ それっ
干しているタバコの葉を
たたたた タバコを濡らすな
父ちゃんも母ちゃんもいないぞ
じいちゃんばあちゃんと
たたたた それっ納屋へ
兄ちゃんも弟も友達も
たたたた タバコを運ぶ
そんな昔を思い出す
大きな葉っぱを干していた
緑の大きな葉っぱの色が変わる
茶色でしわしわ縮んだ葉っぱ
しわしわじいちゃんの手が
しわしわ葉を広げている
すべすべの子どもの手も
しわしわ広げるすぐ飽きる
そんな昔を思い出しても
タバコの花を見てなかった
タバコの畑の記憶はあるのに
見る気が無かったか
でも見えなかっただろうな
2メートル超す高さの天辺に
タバコの花を見た
初めましてタバコの花