イメージ 〈詩集〉
キミが艶めかしかったから
思いがけずキミを見付けてしまった
小さな動物園のあるこの公園は
何度も来ているけれど
乳母車の子供と夫づれとはねえ
懐かしいキミを見付けたというのに
オレも妻と小さな子供と一緒なのに
声をかけられなかった
寄り添うその男は嫌いだったから
あいつと結婚したなんて知らなかった
素直にキミにおめでとうを言えない
この感情をもてあましてしまう
娘の呼ぶ声にやっと我にかえる
ほんの短い間に見ただけなのに
汗ばんだキミの顔が艶めかしく思えて
欲情か嫉妬かわからぬその感情を
娘の笑顔で紛らそうとしている