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モンブラン
モンブラン
novelistID. 59192
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最前線で見たもの ②

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千葉でのライブ出演を控えて、
機材を引きずりながら
秋葉原から電車に乗った時

「あの人バンドマン?」
「いいよなぁ。ライブ出て、金もらってるんでしょ?」
「音楽やってる人って、楽に稼げるもんね」

って男性2人に言われた。

おいおい。

楽器持ってる人=楽に稼いでる人って言いたいのかい?

ギャラ貰えるようなアーティストだったら、
とっくにタクシーで移動しとるわ。

ギャラが貰えようが、己で出演料を払おうが、
前進できるならナンボのもんじゃい。


その日、電車で作った音はグチャグチャの不協和音だった。





それから以前は、初対面の人間に

「そのバンド名じゃ、世間的にウケが悪いから売れませんよ」

「は?プロ目指すわけでもないのに音楽やってんの?趣味で音楽やるとか時間の無駄じゃん」


とも言われた。


言われた時は、「その言葉そのまま歌詞にしてやる!!」とか冗談半分で憤っていたけれど


よくよく考えたら、捉え方なんて人によって違うんだ。


そうか、きっとお前さんにとっては、
音楽は娯楽なんだろう。それだけね。


一方、私にとっては、音楽は時に娯楽、
しかしやはり一生かけて本気で続けていくものだ。



プロは目指さないけど。命みたいなものだから。



プロを目指してメジャーに行くことだけが
音楽を続ける理由ではないことを私は知っている。


そもそも音楽に触れるきっかけだって、

「好きだから」、「ライブしたいから」
「面白そうだから」、「何か1つ始めてみたいから」
「何となく」、「モテたいから」
「大切な人に歌いたいから」

色々、何でもいいんだ。


色んなきっかけで入口に立った後に、
誰もが同じスピードで同じ地点を
目指す必要なんてない。


音楽が嫌いだったり、苦手だからこそ
あえて触れてみるのも、いいと思う。


嫌味を言われるたびに
不協和音しか書けない私はネガティブだった。



それでも昨年からお手伝いしている、
THEラブ人間さん主催のフェス「下北沢にて」で
少しずつ私の心はほぐれてきた気がする。


THEラブ人間さんは、下北沢のロックバンド。


初めてTHEラブ人間さんのライブに行った時
心が温かくなって、1人でボロボロ泣いた。

あとでメンバーから「エモい子」って言われたけど
そのあとも何回かライブで泣いてた。


本当に私は「エモい子」だと思う。


あれから1年経って、

THEラブ人間さんと一緒に
2daysフェス「下北沢にて’15」を作り上げるチームに飛び込んで

たくさんのバンドとお客さんに出会った。


面白いことをやっていくために、
型破り していくことが自分のスタイルだ。


自分だってかなり他人から
型破り されているから 刺激を受けやすいし
私の頭の中を引っかき回してくれる
日常生活が今とても愛おしい。


「忘れらんねえよ」の柴田さんに
友達宛てのサインを頼んだら
随分と下品なサインを下さったことも(笑)、

道端でビラを配っていた売れない俳優が
驚くほどイケメンだったことも、

歌舞伎座で、入れ墨まみれの外国人が
涙を流しながらパンフレットをぎゅっと
握っていたことも、

リコチェットマイガールと井乃頭蓄音団のライブ中に
マッシュ頭の女の子たちがうっとり陶酔しながら揺れてるのも、下手でおっちゃん客が楽しそうに笑って歌ってるのも、


全部が頭の中にシューッと入って
五線譜になってしまう。


最近とても良い和音を書けているし、

不協和音が自分本位での
八つ当たりの憎しみだけではなくなった。


またライブハウスに立ちたくなるものですね。

大勢の誰かに誤解されても
目の前のあなたは、必ずほぐせるように。



今回の話は、「自分と音楽 最前線で見たもの」でした。