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青井サイベル
青井サイベル
novelistID. 59033
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雨降る夜景を見下ろすと沢山光る窓のうち一つの中にいる

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・・・そう
パトカーのサイレンの長い尾
窓の無数の雫もおなじ、尾
グラスはほとんど空
テーブルを指でタン・タン
雨のように優しい独身女
彼女は夢を見ている
まるでシュタイナーの絵のような


排水溝と通風孔は夜の熱気を含んだ太い口笛を吹いている
黒い水溜まりをはね散らかして 頭のおかしい男が走っていく
赤と白のランプの連なりへ きっと河だと勘違いして
罵声、クラクション、そして消えていく


車の窓にも 星じみた水滴
彼は今夜も疲れている このまま
この街を出ていってしまおうか
またそんなことを考えている
渋滞の天の川で
家に待つ小さな天使の顔を思いだす
束の間


道の向かいにある店で
女主人が満足している
つややかに磨いた窓を 雨が滑らかに転がり落ち
街明かりを映してスパンコールのよう
小さな店には湯気と料理の匂い
回り続けるベンチレーターの低い音
客たち
古参に新顔、いなくなったのも


子供は眠っている
ひどかった一日の子も
まあまあだった子も
幸せだった子も
今は殆どは
眠れずにいる何人かは
目を開けて闇を流れる水のビーズを見つめる



老人はひとり呟く
ああいい宵だ と