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青井サイベル
青井サイベル
novelistID. 59033
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日ごとのサイベル

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早く起きたのは、早くから悩まされていたからだ。
耳にとまりにくる一匹の蝿に。
寒いのに窓を全開にし、とまりにくるたびむきーとなってがばっと起き上がり、
頭と手をぶんぶんさせては、またフトンをかぶる。
そんなことを繰り返していたからだ。


蝿はようやく行ったらしい。
やれやれ、どうれ、アイスコーヒーでも。
あ、ペットボトルの水も補給しよう。
キッチンでアイスコーヒーを作り右手に、水を満たしたボトル左手に持ち、
階段をなかばまで昇ったところでけっつまずく。
コーヒーが倒れかかるわたしの顔といわず髪といわずパジャマといわず床といわず、
まんべんなくビショビショにした。
「イ~~~~!」
ショッカーみたいな言葉にならない言葉を発してから、もくもくとぞうきんで処理して、
パジャマを洗濯機にぶち込み、顔を拭き、改めてアイスコーヒーを作り、
今度は慎重に昇った。
すっぱだかで。


部屋にてほっとひといきくつろぎながら、
今朝はドリフみたいだったな、と思う。
災難や小さな不幸は、みなコントの要素を孕んでいる。
それでもいいことありますように、と願う、それが人間。
休日最終日は、こうして始まった。





※実家に居た頃、の素描です。不幸だったのか幸福だったのかよく判りません。
作品名:日ごとのサイベル 作家名:青井サイベル