猫と仲直り
☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
仕事のあと、あちこち用事があって出かける寸前
そんなときに限って猫脱走
ああ~もう知らねえ
ばたばたして帰る
帰りに「そーだ今しか独り占め食いできないんだから寿司とステーキ肉買って、今夜と明日の晩食べよ♪」
ワインを冷やして、めったやらない家事を汗一杯でこなす
さあ、完了、まずはビール、そして寿司を・・・
そこに猫帰還、にゃあにゃあ寄ってくる
さっき逃げたくせに
この、性悪!
キレた
その瞬間、わたしは「猫にさかなをとられる」と思い、
人間もビビる大声で
「おまえなんか!逃げやがってこのバカ!バカ!バカ!バカ!」
猫は飛び上がって二階に逃げた
ああ、せいせいした
うんこ片しておしっこ片して手を洗って
ばかやろー滅多に食えない寿司(両親がいるとテーブルに上げていいとこみんな与えてしまう、バカ親)、
おまえなんかにひときれだってやるかと心の狭さを見せつける
で、疲れきって猫の毛のついた食卓でのビールと念願の寿司
猫の毛
猫
あんなにどなってしまった
寿司うまいけどまずいや
でも食っちゃえ
どうせわたしは心の超狭い女
猫の毛を払い、ぼんやりとテレビ
ビタミンの多い食事はおなかにやさしかったけど
猫に吹いた毒矢の毒が体にまわって
二階に行って猫にそうっとよびかけると
鳴いた
警戒もせずに
そしてすりよってきた
猫はわたしを即座に許してくれていた
泣きながらとっときのおやつを八つもあげた
「おまえさみしいだけだったのにな
ごめんねえちゃんがわるかった
まぐろ食べちゃったし何よりもおまえをすごく怒った
明日、帰り、まぐろのさしみを買ってきてやるから
一緒に食おうな
ねえちゃんはばかだな
疲れていらいらしてた
自分のことしか考えてなかった
おまえ一人で一日中待ってたのにな
ごめんよ」
猫はいつまでもすりよりながらのどを鳴らし続けた