小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
青井サイベル
青井サイベル
novelistID. 59033
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

猫と仲直り

INDEX|1ページ/1ページ|

 
前回の続きの晩です。猫もわたしも、寂しかったのです。彼女に謝罪した、その晩のことです。


☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡


仕事のあと、あちこち用事があって出かける寸前
そんなときに限って猫脱走
ああ~もう知らねえ


ばたばたして帰る
帰りに「そーだ今しか独り占め食いできないんだから寿司とステーキ肉買って、今夜と明日の晩食べよ♪」


ワインを冷やして、めったやらない家事を汗一杯でこなす
さあ、完了、まずはビール、そして寿司を・・・
そこに猫帰還、にゃあにゃあ寄ってくる
さっき逃げたくせに
この、性悪!
キレた
その瞬間、わたしは「猫にさかなをとられる」と思い、
人間もビビる大声で
「おまえなんか!逃げやがってこのバカ!バカ!バカ!バカ!」
猫は飛び上がって二階に逃げた
ああ、せいせいした
うんこ片しておしっこ片して手を洗って
ばかやろー滅多に食えない寿司(両親がいるとテーブルに上げていいとこみんな与えてしまう、バカ親)、
おまえなんかにひときれだってやるかと心の狭さを見せつける


で、疲れきって猫の毛のついた食卓でのビールと念願の寿司
猫の毛

あんなにどなってしまった
寿司うまいけどまずいや
でも食っちゃえ
どうせわたしは心の超狭い女
猫の毛を払い、ぼんやりとテレビ
ビタミンの多い食事はおなかにやさしかったけど
猫に吹いた毒矢の毒が体にまわって


二階に行って猫にそうっとよびかけると
鳴いた
警戒もせずに
そしてすりよってきた
猫はわたしを即座に許してくれていた
泣きながらとっときのおやつを八つもあげた
「おまえさみしいだけだったのにな
ごめんねえちゃんがわるかった
まぐろ食べちゃったし何よりもおまえをすごく怒った
明日、帰り、まぐろのさしみを買ってきてやるから
一緒に食おうな
ねえちゃんはばかだな
疲れていらいらしてた
自分のことしか考えてなかった
おまえ一人で一日中待ってたのにな
ごめんよ」
猫はいつまでもすりよりながらのどを鳴らし続けた
作品名:猫と仲直り 作家名:青井サイベル