返信不要。
走った。
とにかく走った。
トモアキから。
「先輩」から?
逃げたかった。
過去をなかったことにしたかった。
人を傷つけたくなんてなかった。
いつのまにこんなことになってしまったんだろう。
あんなに愛しかったトマ。
いまはもう別人のトマ。
私がいけなかったのか。
子供はどうしてできて、
どうして諦めたのか。
私の命に、価値はあるのか?
命がけだと知っていたのに、命をかけたのは
私ではなく、あの点の子だった。
あの点の子の存在が、命を賭して、
私の目を覚まさせて、解放してくれたかのように思えた。