最前線で見たもの ①
カフェの外席でお茶を飲んでたら、
席のすぐ近くで
大きすぎるマスクをして
誰かを待っている感じの女の子を見つけた・・・。
少し経った頃、年配の男性(体格は大きめ、スーツ)が横断歩道を渡ってきた。
しばらくスマホでチラチラ何かを確認しながら、周囲の人を見渡す。
そして女の子を見つけて近寄り、「えっと・・・・・・〇〇ちゃん?」と声をかけた。
「あ、はい」
「よかった。会えて。遅れてごめんね!」
みたいなことを話してたと思う。
この近くはラブホ街。
この時点で
この出会い方は、援助交際やプチの類。
普通の待ち合わせならば、こんなぎこちなさもないであろうに。
いかにも初対面。
すぐに女の子は下を向いて顔を隠しつつ、年配の男性と微妙な距離を保ってラブホ街の方へ歩き、角を曲がっていった。
近年は特に、SNSの発達によって、身体とお金が絡んだ男女関係の成立が簡単になってきてるなぁって思う。
そもそも、「援助交際」とは
ずばり、男性が、女性にお金を払って性目的を果たすこと。
または女性が金銭目的で相手を募集すること
要するに売春の一形態。略して「援交」。
女性が男性に払う場合は、「逆援」になる。
この行為は本来もちろん違法なため、
「健全」を謳っている出会い系サイトの掲示板には、
この単語が含まれている書き込みはほとんど表示出来ない。
そこで、そのようなサイトで相手を募集する際には、
直接「援助交際しましょう」ではなく、
ユーザーは男女共に、「サポ」「条件あり」「円」「お礼ありの関係」「大人の関係」などの表現で書き込み、異性からのメッセージを待つ。
こうして、上手く監視フィルターをすり抜けているわけだ。
交際クラブにも、「出会った後は自由恋愛」というルールがあるが、
これは暗に「出会った後に監視とかしません、何してもは自由ですよ」なわけであり、
ひっくり返せば
「援助交際をしてたとしても、トラブルには干渉しませんよ。あくまで自由恋愛とだけ言いましたから!!」ということになる。
助長したあと、見て見ぬ振り。
「ホ別」という言葉もあるが、これは援助で払う金額とは別で、
ホテル代もこちらで払います!という意味。
それから「プチ」は発射なしで、
援助よりは安くなるとかいう相場がある。
※今回は「逆援」ではなく男性が女性に払う方で話を進める。
さて、書き込みに反応した女性は、直接男性にメッセージを送る。
何時にどこで会うか、どんな金額を提示されるか、ある程度メッセージで話し合って、合意したら実際に待ち合わせる。
待ち合わせでは、いくら顔写メや服装写メの交換などをしても
確実に会えるとは限らないので(冷やかしもあるため)、
スマホをチラチラ確認して、見つけ次第「〇〇ちゃん?」と聞くことになる。
だから、私が見かけた女の子も、年配の男性とぎこちない待ち合わせをしていたわけである。
よく分からないまま世間的なイメージで「援助交際」と言うと
「だめでしょ」とほとんどの人は思う。
そうなると、やっている女の子たちは
「誰にも迷惑かけてないし、人の勝手じゃん!」と口を揃えて言う。
それで、今回このように仕組みをしっかり知った上で、
改めて考えてみた結果、やはり女の子がこうして買われていくことに対しては、マイナスを感じる。
まず、女の子が働けなくなるのではないか?という危惧。
1回の行為で何万円稼げた、という経験をした女の子は、
時給900円とかでアルバイトするのが阿呆らしくなる。
そのせいでどんどん深みにハマってしまうため、援助交際のリピート率は高い。
それから、初対面の男性との個室トラブル。
もはや言うまでもない。
予定とは違うことをされた、撮られた、暴力があった、お金を払ってもらえなかった、とかいう話。
外野からは、気をつけて・・・としか声をかけられない。
そして、男女共に、性病の問題や妊娠や、相手が既婚者だった!知らなかった!というトラブルがある(v_v`)ハァ……。
それから、リベンジポルノや周囲への身バレ、世間的な立場を失う、とかの危険もある。
逆に、女の子が悪事を働くことも実例としてある。
男性のお財布を盗んだり、カードを抜き取って悪用したり、
行為後に恐喝をしたり。
匿名で会っている限り、相手がドロンしたらもう警察にも立件しにくい。捜査すればまぁ・・・って話だけど。
援助交際のことも打ち明けることになるから、そうすると被害者は泣き寝入りなのだ。
そして、それら以上に女の子がスレていくことに不安がある。
精神的な面がめちゃくちゃ心配だ、淀みにハマったら立ち直るのは大変だ、ということ。
援助交際をしている人は、
「人には言えないプレイができる」とか
「お金をもらえる」とか「生活が苦しい」
「女の子と触れ合える」とか「お小遣い」とか
何かしらのメリットを男女共に感じているんだろうとは思うけれど、危険地帯にいることは十分理解して欲しい。
明らかな神待ちサイトや出会い系にしか援助交際の誘惑がなければ、やりたい子だけが落ちていくんだろうけど、
この頃は一般のSNSにもそのような誘いが蔓延っているから、普通の女の子がどんどん落ちていく。
落とし穴はどこにでもある。嫌なもんだと思う。
帰り道、あの女の子の大きな目元を忘れられなかった。
彼女に幸あれ。って、遠くから今でも願っている。
今回の話は「アダルト最前線で見たもの」でした。
作品名:最前線で見たもの ① 作家名:モンブラン