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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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ノベリスト軟禁事件

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ノベリスト作家が閉じ込められてから数時間が経った。

「……誰も助けに来ませんね」

とある、エッセイイストがつぶやく。

「まさかサイトに閉じ込められるなんて思いもしませんでした」

「そうですね……」

まさかの強制オフ会になってしまったが、
初めての顔合わせを喜ぶよりも
この軟禁状態を何とかしなくちゃいけない使命感が勝った。

「ノベリスト運営がこの状況に気付けば
 きっとなんとかしてくれるはずだって!」

「あの……私がノベリスト運営です」

「閉じ込められてるんかーーい!!」

ノベリスト運営もどうやら投稿していたらしく、
その結果、ほかの作者同様にサイトに閉じ込められてしまった。

「サイトに来たこともない外部の人間が、
 このサイトにアクセスして
 なにか小説を読んでくれれば戻れるのですが……」

「でも、このサイトに新しい来訪者なんて……」

1日数人が自分の作品に訪れれば御の字。
でも、完全な新規となると……その数は絶望的。

「そうだ! みんなで作品を書きましょうよ!
 なにか作品に目が留まれば、誰か来てくれるかもしれないわ!」

詩作家の女性が声をかけた。

「たしかにそうだ!」
「ようし、みんな頑張るぞ!」
「ノベリスト作家の意地、見せてやる!」

全員が一心不乱に執筆活動をはじめた、


が、結果は散々だった。

「誰も来ないですね……」
「言うなって」

作品の質はどれもいいものばかりなのに、
一向に救助に来てくれる外部の人は来ない。

せめて、どこかの検索エンジンで引っかかるようにと
今ホットなキーワードを本編と関係なくぶちこんでも……

それでも、誰もノベリストに来ることはなかった。

「ああ……もう終わりだ」
「誰でもいいから早く来てよぉ!」
「なんで誰もこの小説サイトに来てくれないの!?」

ノベリスト作家たちは濃厚になる絶望に恐怖した。
そこに、一人の短編作家が手を挙げた。



「僕に考えがあります」



そいつの指示で本の表紙をエッチな画像にした。
すると、一瞬で全員がサイトから脱出できた。

なんともコメントしにくい救助のされかただったが、
誰もが作家に感謝した。

「本当に助かったよ! ありがとう!」

「これからは、もっとノベリストの認知度が上がるよう
 一生懸命作品書かなくっちゃな!」

そして、なお一層、創作意欲を燃やした。


「でも、ホントどうして誰も来なかったんだろうな」

他の小説サイトすべてで同じ現象が起きているにもかかわらず、
ノベリスト作家たちは誰一人見に行くことはなかった。


「さぁ、もっとこのサイトを盛り上げよう!
 俺たちは自由になったんだ!」

そうして、作家たちはまた作品の投稿を始めた。
ノベリスト色に染まった作品を……。