千葉ジャガーの逆襲!!
06 引退試合キラー
プロの世界に入ってから50年。
この節目を境に引退をする選手が一人。
その名も広島サンドの秋本投手だ。
引退試合は早くから決まっていたそうで我が千葉ジャガーとの対戦が決まっていた。シーズン終盤に差し掛かり千葉ジャガーは四位の順位だった。だがあと1勝しなければ三位に上がれないという切迫詰まった状況の中にいた。
だからだろうかは分からないが、わざと負ける事は許されなかった。秋本投手はかなり衰えていたとはいえ、残念としかいいようがない。だが自分で最後の相手は千葉ジャガーがいいと言ったのだから我慢してほしい気もする。
そして引退試合に必ずとあって打ちまくる打者がいた。
それは百氷(26)だ。
今までにも何度もあって必ず引退試合で猛打賞をする。そんな百氷に引っ張られるように他の打者達も覚醒する。普段は総六番打線などと馬鹿にされてるが繋がった時の恐ろしさは首位チームの化物打線にも引けを取らない。
感動的なオープニングセレモニーから始まったその引退試合の結果は……
千葉29-0広島
という超絶悲惨な結果で幕を閉じた。
その後の引退セレモニーでは、秋本はもちろん他の広島の選手達の顔や表情がもうヤバかった。
会場中から凄まじい程のブーイングの嵐が千葉ジャガーに舞い降りたのだのだが、そんな事はどうでも良かった。
何故なら、千葉ジャガーはこの日埼玉キャッツを抜き三位に上がったからだ。その嬉しさと喜びで大騒ぎをした。完全にKYな行為だが広島のファンはひとしきりのブーイングをした後、諦めた。
「千葉だし…」
「相手が悪かった…」
「今日が三位決定戦じゃなかったらもう少し手加減してもらえたかもしれない…」
との事だった。
作品名:千葉ジャガーの逆襲!! 作家名:本宮麗果