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ローズホテル

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「きのう親知らずを抜いたの。朝から何も食べてない」
「そっか。オレがお粥作りに行ってあげよっか?」
「いいよ。まずいから」
「まずいって…」
「フフフ」

彼女は小さい声で小鳥が鳴くみたいに笑うんだ。
何ていうか、話し方も、透き通った小さな声で、
抱き合うときなんかその声だけでオレはいつもイキそうになって、
耐えるのに必死なんだ。
電話の彼女の声を聞くだけで、
オレのアレは敏感に反応して、
今だって逢いたくてたまらない。
バイトから帰った今は午前3時。

「ねえ、今から横浜いかない?
っていうか今から迎えに行くから。
お粥なら食べられるでしょ?
中華街に夜中の4時までやってる店があるんだけど
そこのお粥が美味しくってさー。
今から行くね」

オレの今夜のプランはこうだ。
実はその店は夜中の3時までだ。
間違えたと嘘をついてローズホテルに泊まる。
SEXをして、そんで朝、ふたりでお粥を食べる。
ローズホテルの一室で、
オレは彼女にキスをする。
舌で抜いた親知らずの位置を確認出来るだろうか。
今夜試してみる。
作品名:ローズホテル 作家名:セリーナ