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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「恋愛病院 不倫病棟パート2」 第十話

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「はい、彼は商売が順調と思われていますよね?これはお聞きしてそう感じたから思うのですが」

「彼はそう言っていますが、それがどうかしたのでしょうか?」

「どうしてあなたのように結婚されている女性と仲良くしたいと思ったのでしょう?そんなこと考えませんでしたか?」

「それは、お互いに相性が良かったんだと考えていますが、先生はなにか気になっておられることがおありなのですか?」

「彼は事業のことで何か話していませんでしたか?たとえば新しく始めるとか、大きくするとか」

「そう言えば、新しく営業所を作ろうと計画しているとか話していましたが、それが私と関係あるのでしょうか?」

「ではこうしてください。私が今からいう事はあくまで予想で話しています。違っていたらお許しくださいね」

「はい、許すだなんて相談しているのはこちらなんですから気になさらないで下さい」

「ありがとうございます。離婚して再婚してもいいけど条件があると話してみてください。条件を聞かれたら、夫には借金があって離婚しても保証人としてそれは継続されるので、もし自分が払わないといけなくなったらどうしよう?とです」

「そんなこと言うのですか?」

「はい、お金のことは人間の真実をあからさまにします。彼があなたを心から愛しているなら、あなたが話した借金の保証人のことは、共に背負う覚悟をするでしょう。まして事業が順調であれば気にするようなことではないと思えるんです」

「はい、解りました。勇気を出して話してみます」

一月ほどして鉄男の元へ早紀から手紙が届いた。
そこにはこう書かれていた。

「先生、お話して戴いた通り彼に話しました。ビックリした表情で彼は私に、どうしてそのことを話してくれなかったんだ、と言いました。私があなたには関係のないことだと思った、と言いましたら再婚しようと考えていたのに関係のないことじゃないだろう、と怒りましたので、夫は返済できないわけじゃないから大丈夫よ、と反論しました。
そのあと彼は、全部返済してから再婚を考えると言いましたので、これで終わりにしたいと返事して別れました。本当にお金がある人だと思えなくなりました。好きじゃなかったんだと悲しくなりました。バカですね」

鉄男は読み終えて自分の嫌な予感が的中したことを切なく感じていた。