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ずっと一緒とかありえないから

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プロローグ

 はじめまして、圭太です。
 俺は、勉強はできるほうだ。一応いい大学と世間で言われている学生だし、テスト2日前から勉強して毎回満点はとる。体力もあるほうで、練習しなくても毎回スタメン。説明くれればすぐにできるタイプだ。そして、顔。ミスターコンテストで優勝し、周りは俺を「完璧」「王子」「イケメン」「天使」とかそう呼ぶわけで。
 まあ、俺の話はいいや。そんな俺だけど、一つできないことがある。それは学生の醍醐味、リア充の味方である恋愛だ。これだけは難しい。数学の方程式、国語の作者の気持ちよりも難しい!
 だって、女子は十人十色。同じ接し方なんてできない。クッキーは作ってくれるが弁当は作ってくれない女子もいるし、いつもは天使だが、女の子特有の一週間がくる前は悪魔になる女の子だっている。
 俺は人の気持ちが読めないんだろうか。
 
 この物語は、俺、圭太の恋愛?と言えるか言えないかの記録だ。

              
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    第一章 飾りとかありえないから
      第一節 きっかけ

 俺が高校1年生のとき、片思いして片思いしてやっと付き合えた彼女がいた。彼女の名はみさき。真面目で大人しく、地毛が茶色のロングヘアーで少し謎な人だった。告白されたきっかけは、ゴールデンウィーク明けの朝のホームルーム。その日は、月一度の頭髪検査。みさきは実家から2時間かけて電車で登校していた。だから、中学時代のみさきを知る人がいないから、髪を染めてるって誤解を受けていた。同じクラスのはるかという風紀委員はいつもみさきが髪を染めているって疑ってたっけ。だから、その日も
「みさき、その髪茶髪でしょ?」と、はるかが言い出した。
「違うけど。」みさきは、はるかと目を合わさず、1限の数学の教科書を読んでいた。はるかもイラついたのか、みさきから教科書を取り上げて
「嘘!染めているんでしょ?」と、さっきより大きい声で言った。
「先月も言ったけど、この髪は地毛なの。」みさきは冷静に言った。だが、その冷静さがはるかをイラつきさせた。はるかは、取り上げた教科書を床に捨て、感情にまかせて言った。
「ふざけんな。どこに証拠があるのよ。あんた、2時間かけて電車で登校してるんでしょ?中学のときいじめられたんじゃない?教科書読むってがり勉なの?」
 周りの女子もヒソヒソみさきについての憶測や感想を言い出した。みさきは冷静にはるかを見ている。
 俺は、疑問に思い立ち上がった。そして、みさきの後ろに立ち、みさきの頭上、生え際を見た。みさきも俺の存在に気付いたのか、驚いていた。
「風紀委員、みさきは染めてないよ。生え際まで茶色だった。みさき、明日幼稚園の写真持ってきて。証拠とかじゃなくて、俺が見たいからさ。」
 俺はみさきのロリ時代が見たいんじゃない。俺の確信が正解か確かめた。みさきの髪は本物の茶髪だ!

 たぶん、そんな俺のくだらない行動でみさきの心が俺に向かったと思う。周りの女子もキュンキュンしていたそうだ。あのはるかでさえ、うっとりしていたって。
 意味がわからん...
 翌日、登校し席につくとみさきが写真数枚を俺に渡してくれた。なぜか他の女子も幼稚園の写真を渡してくる。ご丁寧に説明付きで。
 みさきは染めていなかった。幼稚園の写真で一人だけ茶髪の女の子が笑顔で花を摘んでいた。俺は、自分の確信が当たったことに嬉しく、ついつい笑顔だった。そして、その写真を持ってはるかの席に行き、はるかと話した。
「茶髪、地毛だったぜ。まあ、茶髪だと染めてるか疑いくなるよな。はるかはショートヘアだけど、伸ばすのもいいんじゃない?」
 俺ははるかに笑顔で言ったのを覚えてる。どんだけ俺は嬉しかったんだろ。茶髪か否かを当てるゲームを1人でやって1人で舞い上がる俺を女子は「やさしい圭太くん」と思ったんだろう。

それから数日後、校舎裏でみさきに告白された。
 
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     第二節 放課後デート①
 
 みさきと付き合うようになった。周りの友達からは、好きだから頭髪検査のとき助けたんだろ?と言われた。まさか、軽いゲーム的なことがきっかけで告白されるとは思わなかった。告白された夜、布団の中で考えた。俺が軽いゲームでしたことは、相手からしたらかばっていると同じであって、みさきが俺を意識するのは当然だった。なので、俺は責任もって付き合うことにした。告白の返事を聞いたみさきはポロポロ泣いていた。なんで泣くんだろ?付き合うのそんなに嫌なのか?罰ゲームで告白したのか?と少し不安になった。
 しかし、付き合うってなにするんだ?美術の時間そればかり考えていてまったく写生ができなかった。結局、運動場で大声出している、体育教員の岡田の足を描いて提出した。なんでそれを描いたかも正直覚えてない。
 美術室から教室に帰るとき後ろからみさきに背中をポンと叩かれ、「放課後デートしよ。」と言われた。いや、誘われたんだ。
 デートってなに?おいしいの?中学時代は告白はされる、付き合う。しかし、しかし、俺、デートしたことがない。なにすればいいの?プリクラ撮ればいいのか?いや、プリクラ高いよ、そのお金で抹茶プリンいくつ買える?でも、女子は好きだよな。見せ合いしてるし。ここは、みさきをたててプリクラを撮るぞー!!
 放課後、一応みさきに「どこに行きたい?」と聞いた。みさきは予想通り「プリクラ、撮ってみたい。」と言い出した。「了解。」
 俺はみさきの手をとりながら、心ではガッツポーズをした。だって、俺の予想が当たったんだ!たぶん、そんな小さいことでニヤける俺を「デートを楽しむ圭太くん」とみさきは思ったんだろう。駅のほうへ向かうとみさきが少し慌てていた。
「待って、どうして駅に向かうの?ゲームセンターあっちだよ。」
「みさきの最寄り駅の近くにしようかと。電車で2時間かかるならそのほうがいいかと。」と、俺は言った。みさきは、微笑んでいた。
「嬉しい!」と、みさきは俺の腕に抱きついた。そのとき、みさきの胸が俺の腕に当たった。ニヤけるな、圭太!ここでニヤけたら負けだ!と、再び一人でくだらないゲームをしていた。
俺の欠点はこれだったんだ。

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