CROSS 第3話 『反逆者との交戦』
「そりぁあ、君は不死身だからいいけどさ。それにただ逃げるわけじゃない。態勢を整えるためだ」
「この大事な艦を捨てるんですか!?」
「俺だって、この艦を捨てるのは嫌だよ!」
ドピューーーン
突然、まだ正常に動いていたモニター画面から、まばゆい
閃光がブリッジを照らした。
「もう終わりか……」
少佐は静かに席に座った。しかし、モニターをよく見てヘー
ゲルは冷静言った。
「いいえ、少佐。 援軍が来たようです」
「何?」
少佐がモニターを凝視すると、画面には、『エンターP・
0』と形状はほぼ同じだが一回り大きい艦が、堂々と現れて
いた。その艦は即座に、アーチャーのモビルスーツを全て外
れたが攻撃し始めた。モビルスーツはそのまま特務艦を離れ
、すごい速さで自分の艦『エンターP・0』に収容された。収
容された次の瞬間には、敵巡洋艦はあっという間に、特務艦
や援軍とみられる大きな艦を残してワープして消えた。
「『エンターP・A』だ!」
少佐がうれしい顔で言った。『エンターP・A』とは、『エン
ターP・0』と同じシリーズ艦だが、『P・0』より新型の艦で
、巡洋艦でもなく、日本軍有数の大型戦艦である。
少佐が言ったあと、すぐにブリッジに通信が入ったことを
告げる電子音が鳴った。すっかり安心した顔で振り返ったガ
リアに、少佐が無言でうなずき、ガリアはすぐに通信機器を
操作し通信を始めた。相手はもちろん、『エンターP・0』で
ある。
作品名:CROSS 第3話 『反逆者との交戦』 作家名:やまさん