カクテルの紡ぐ恋歌(うた)Ⅱ
日垣の真意が分からなかった。なにより、何もなかったフリをしていられるか、とても自信がない。不安げな顔をする美紗を、日垣は無理やり外に押し出した。
「君の言い分は後日聞かせてもらう。いずれ内部調査が入るだろうから、身の潔白を主張するつもりなら、今後の行動にはせいぜい気を付けろ」
言い捨てるような言葉とともに、ドアが閉まった。自動ロックがかかる嫌な音が地下通路に響いた。
――――――――――――――――――――――――――――
(「カクテルの紡ぐ恋歌 Ⅲ」に続きます。表紙に「Ⅲ」のリンク先がございます。どうぞ宜しくお願いいたします。本シリーズは、現在Ⅺまで続いております。「カクテルの紡ぐ恋歌」のタグ検索で、シリーズすべてが表示されます)
作品名:カクテルの紡ぐ恋歌(うた)Ⅱ 作家名:弦巻 耀