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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「優しさの行方」 第七話

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「いいかい、よく聞きなさい。君が見ていた夢と言うのはある面で真実なんだよ。完全な夢の世界じゃない。この世と霊界はつながっている。迷える浮幽霊の中には人間社会で悪さをするものが居る。それは断ち切れない未練だったり、捨てがたい強い思いだったり、時には怨恨だったりするんだ。君が見ていた夢の中に現れた少女は仮の姿だ。きっと君自身の憧れの女性とも受け取れるだろう。だから好きになってしまう。そこが奴らの狙いだ」

「先生、そんな小説で描かれるような非現実的なこと言われても、どうお答えしてよいのか解りません」

「では聞くが、君は何故過激な運動もしていないのにそんなに痩せるようになったんだ?精力を使い果たしているのではないのか?」

「痩せてきたのは確かですけど、それは不規則な生活のことやバイトでの疲れとかがあるからです。精力と言われましたけど、この年齢だと毎日出しててもそれは普通でしょう?ご心配には及びませんので」

「そこまで言うのなら一つ約束をしてくれないか?お母さんを心配させるようなことは絶対にしないと。もし疲れているなら実家に少し帰って身体を休ませると良い。どうだ?」

「はい、解りました。約束します」

霊媒師は友幸のウソを見破っている。ここまで頑なに口を開かないことはなにか大きなわけがあると考えていた。
今は行わない荒療治をして深夜に見た得体の解らないものを封じ込めようとある方法を考え付いた。
それは奇抜ではあったが必ず効果があると信じて母親にその説明をした。

「村山さん、今から言う事は友幸君を救うたった一つの方法なんだよ。協力して欲しい。彼には私たちの心配よりもっと大きな何か隠し事がある。いろんなことを想像してみたが一つの結論に至った。それはきっと夢の中の少女と毎晩セックスをしているという事だ」

「先生!まさかそんなこと。毎日夢精しているという事なんですか?」

「違うよ。本当にしているんだ。夢の中と言っているけどそれは違う。霊界からこの世にしゃしゃり出てきて友幸君と交わっているんだと思う。そうすることで満たされない精霊界での不満を解消している。本当のあの世に行く前の世界が精霊界と言うんだよ。そこはまだまだ修行の場。逃げ出すやつもいる。警察なんか居ないし、まして閻魔さんも居ないから、好き勝手やるんだ」

「友幸に憑りついているのはその悪い精霊と言われるのですか?」