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吉葉ひろし

novelistID. 32011

ウエディングドレス

薄氷が覆う池に１枚の真白な羽が

静止している

北風が音を立て落ち葉を舞い上げている

冷たい太陽の光が

画筆のようにその羽に色を載せる

薄氷は言葉を投げかけるように

光を反射している

その眩しさは僕の記憶を目ざます

教会のステンドグラスの色に

娘のウエディングドレスが染まった時

いくつかの幸せの中の想い出

こんな場違いな風景の中で

なぜ

静止した白い羽が時間を停めて

作品名：ウエディングドレス　作家名：吉葉ひろし