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エースを狙え

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俺はこの一週間ずっと世津コーチの守備練に付き合わされた。おかげで全くといっていいほどブルペンに入れなかった。
最初の日は500本ですんだが、次の日から「昨日で大体の感じは掴めただろう?じゃあ今日から1000本ノックで」と軽く言われ、実際にした。
死ぬかと思った。500本でもキツイのに、1000本とか勘弁してくれとしか思えない。だが自分からは中々辞めて欲しいと結局言えずに最後まで付き合う事になった。そのお蔭かどうかは判らないが、守備やフィールディングが格段に見違えるように良くなったのは言うまでもない。
考えるより先に身体が動くというのが実際に出来ていた。
これがあの鬼練習の成果ならば続ける事に越したことはない。ならば一番必要なのはコントロールや変化球の精度などではなく、まず体力だ。
あの鬼練習をした後でもブルペンで投げれるだけの体力を付ける必要がある。
そしてその考えは間違ってはいなかった。
キャンプ三週目は実戦的な練習が増えていったが、俺はひたすら基礎練と体力造りと鬼コーチとの守備練とブルペンでの投げ込みだけを繰り返した。そしてその成果は二度目の紅白戦で現れた。

作品名:エースを狙え 作家名:本宮麗果