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エースを狙え

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    12:30


ランチタイムの為、監督もコーチも選手達も皆、食堂へ向かった。
メニューはランチメニューだった。

・Aランチ
(ソーキソバ・おにぎり3つ・唐揚げ3つ・漬物)

・Bランチ
(ゴーヤチャンプル・親子丼・豚汁・漬物)

・Cランチ
(ラフテー・タコライス・ポーク・豚汁・漬物)

俺はBランチにした。
ナツさんはAランチ、立華はCランチでそれぞれ席に座った。

「頂きまーす」

「うーん、うめぇ」

立華が唸る。

「やっぱ腹が減ってるから上手いのかな?」

「沖縄名産なんだからそりゃ上手いだろ。サックはゴーヤチャンプルどうだ?」

「え?多少苦みがあるけど上手いっすよ?俺はこの苦さ嫌いじゃないですね」

「どれどれ?あ、これは酒にあう苦さだな。サックは誕生日いつだ?」

「4月1日です」

「じゃあ二年後二十歳になった時にでも一緒に飲みに行くか」

「お願いします」

「それまでは寮でジュースな」

「分かってます」

「へえ、いいっすね、それ」

「立華は同部屋の人とそんな事話さないの?」

「あの人、すっげえ寡黙だから…空気が重くなるんだよな…」

「ふーん」

「童宮ちゃんは凄まじい人見知りで実力主義の人だからあんま気にしない方がいいぜ?気にしてもらいたいなら早く一軍で結果出す事だな」

「あの人ってエースなんですか?」

「いんや、二番手」

「二番手、ですか…」

「でも実力は折紙付きだけどな」

「じゃあエースは誰ですか?」

「何?エースになりたいの?」

「そりゃあ」

「まあ新人王になりたいんだもんな。今の広島のエースは俺だから奪えるものなら奪ってみろよ、ルーキー諸君」

「俺を入れるの勘弁なんですけど…宣言したの立華だけですし」

「それもそうだな…悪かったサック」

「まあ、いいんですけどね、別に…」

「ところでそのサックって一体何ですか?」

「ああ、これはあだ名。昇の。ちなみに昇は俺の事、ナツさんって呼ぶ事決定だけどな」

「いいですね、そのあだ名」

「立華は何かあだ名みたいなの無いのか?」

「俺のあだ名っすか?ずっと立華ですからねぇ」

「下の名前は何て言うんだ?」

「閑輝です」

「じゃあ、閑ちゃんな」

「え」

「決定!」

「あ、待って、待ってそれだけは…!!」

そんなこんなで一時間経ち、休憩が終わった。
作品名:エースを狙え 作家名:本宮麗果