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エースを狙え

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世代ナンバーワン


俺はテレビを見ていた。
そこには今年の春夏甲子園連覇投手である三浦結城が映っていた。
プロ行きを決め提出届けを出したのでマスコミが学校に集まって取材していた。


『プロ行き、決めたようですね』

「はい」

『大学と迷ったと聴きましたが何が決め手になりましたか』

「そうですね。やっぱり夢でしたからね、子供の頃からの」

『なるほど。夢には勝てなかったと』

「はい」

『好きな球団はありますか』

「シューズですね。若い選手が多いし、活気がありそうで楽しそうです」

『シューズには大エース箕輪選手がいますが』

「それも理由です」

『というと?』

「箕輪選手って甲子園行ってないじゃないですか?だから今の俺の実力ならすぐにローテ入れるだろうしエースだってすぐに奪えるような気がするんですよね。だって俺、春夏連覇投手ですし」

『それはまた本音ですか』

「嘘は嫌いです」

『あと二週間くらいで国体が始まりますが調子はどうですか』

「いい感じですよ。負ける気はありませんね」

『優勝ですか』

「当然です。必ず優勝してプロへ行きます!」

『有り難う御座いました。頑張って下さい、三浦選手』


そしてインタビューが終わり、テレビを切った。
作品名:エースを狙え 作家名:本宮麗果