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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「優しさの行方」 第二話

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ショックで落ちこんでいたが、気を取り直して財布から400円を持って銭湯の帰りに買うことにした。
帰って来てベンジンで拭いてマジックを薄くして今度は結構しっかりと見えるようになって興奮出来た。
その日もやることを済ませて、本棚に買った雑誌の間に挟んで無くさないように仕舞って寝た。

夜中に物音は無かったが、奇妙な夢を見て目が覚めた。
時間は深夜2時。
それは過去に経験したことのない不思議な光景であった。
寝入ったのは0時ぐらいだったから約二時間で目が覚めたという事になる。

夢の中で自分は少女から話しかけられていた。

「友幸さん、お話しできると嬉しいなあ~」

とびっきりの笑顔でそう言う。

「名前は何というの?」

夢の中の自分がそう聞く。

「うん、たまき」

「たまきちゃん?何歳?」

「二十歳」

「えっ?うそ。子供に見えるけど幼い顔なのかな?」

胸もないし、身長もずいぶん低いからそう感じたのだ。

「友幸さんにはそんな風に見えてるの?自分ではよくわかんない」

「どういうこと?鏡見たらすぐにわかるよ」

変なことを言うなあ~そう感じた。

「こんな私じゃ嫌い?」

「嫌いとかじゃないよ。まだ会ったばかりなんだし」

「うん、そうだね。友幸さんは彼女いないの?」

「彼女?居ないよ」

「欲しくはないの?」

「欲しいさ。キミみたいな可愛い子だったら嬉しいけど、なかなか知り合えないから現実は厳しいよ」

「ハハハ~お世辞がうまいのね。私も彼は居ないのよ」

「彼?ああ、男友達が居ないっていう事だよね?」

「ううん、彼。二十歳って言ってるでしょ?」

「そうだったね。ゴメン」

「怒ってなんかいないよ。友幸さんが自分で変なことしているからちょっと可哀想って感じたの」

「ええ?なんでそんなこと知っているの?」

夢の中の少女に何故自分がしていることを見られたのか不思議だった。男性の多くはそういうことをするから知っていたのだろうか。