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パズル

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01.汚れ

「おはよ」
目を覚まして見た光景は私のベッドに腰を掛け、下半身には毛布を掛け、伸う伸うと声を掛けてきた20代前半ぐらいの男がいた。


まただ。


「ごめん帰って」
咄嗟に逃げるような素振りを見せた。とにかく男の顔を見たくなかった。男がまるで私の汚れを映るような、鏡見えたからだ。

男は言った。
「えー、うっそ(笑)きみひどくね?(笑)」

…沈黙になった。
だが続けて冷たい口調で男はこう言った。
「ねえ、夜の事覚えてないの?」


覚えてない。と言いたいところだが、何故か言葉が出なかった。何度も幾度となくこのような行為を続けてきたからだ。


私はこう答えた。
「覚えてると言ったら帰ってくれる?それとも覚えてないと言ったら帰ってくれる?どう答えたら帰ってくれるのか教えてちょうだい」


……またもや沈黙だ。


私は何か変な事をこの男に言っただろうか。そんな事を考えていた時、男が口を開いた。
「お前こんなめんどくせえやつだったんだな。夜はあんなに俺に好き好きとか言っといてあんあん喘いで可愛かったのにさあ。朝になれば帰れかよ。都合良すぎだなお前。せっかくセフレにでもしてやろうかと思ってたのにクソだわ。帰る。」

そのまま男は服を着て何も言わず帰って行った。

私も服を着ようと思いベッドから足を下ろすと、シーツが汚れていた。その汚れが何かはすぐにわかっが、昨晩私があの男と何があったのか、そしてどうしてこのような結果になったのか理由が全く掴み取れなかった。

服を着ようとした時鏡を見たその時だった。たくさんの痣が私の首や胸、腰や太股とありとあらゆるところにへばりついていた。キスマークだ。ふざけるな。私はそう思った。
「いや、ふざけてるのは私だよね」と私は私に消えそうな声で言った。

私が何故このような行為を続けるか、それは単純で簡単な答えだった。ただ“淋しい”。それだけだった。
だが朝になると後悔する。ただただ後悔する。その後悔を紛らわすためにまたセックスする。堂々巡りだ。

私には最愛の恋人がいた。とても好きだった。その恋人にはなんでもした。全てその恋人の思うようにした。最初はとても苦しかった、でも好きだった。



続きます。
作品名:パズル 作家名:あたし