頭 山之口貘
片づけられないおんな
なんにもなかった畳の上に
孤独というやつが居座るから
いろんな物を置いてみたけれど
相変わらず居座るので
さらにいろんな物を置いたら
ひとは言うのです
「片づけられないおんな」って
片づかなかった畳の部屋から
フローリングの部屋にしたのに
やはり孤独というやつが居座るから
負けずにいろんな物を置いたら
ひとは言うのです
「片づけられないおんな」って
片付かない理由は他にある
王子様を待っている訳ではないが
自信は無いのがしゃくだけれど
王子様がくるならば片づけるよ
親は言うのです
「片づかないおんな」って