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みゅーずりん仮名
みゅーずりん仮名
novelistID. 53432
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『 メンタツメン 』

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私が彼女から聞いたのは、面接に受かるためには美貌が必要だということであった。
「それで整形したの」

うーん、そうなのか。
私はそのことについて、真面目に頭の中に置いていたが、暫くすると忘れてしまった。

数年経った2015年のある日のことだったが、私は地元を去ることになり、新しい生活のための行動の際に彼女の言葉を思い出すこととなった。
私は数社の面接を渡り歩き、かつての友達の言葉も思い出した。
「年齢を正直に言う奴なんていないぜ」

私はそのことについて、真面目に頭の中で考えたが、結局、卯年であることを忘れられない限り面倒が起こると思い、そのまま面接を続けることとなった。
何を聞かれても腹が立ち、なにを言うのも馬鹿らしい。
やはり正直者は馬鹿を見るのか。面接に受かる者の大条件は、若さと美貌であるのか。

溜息をつき、ビルの柵を見上げる。そこに立つまでの労力すら惜しかった。
電車を待っていると、目の前にクリニックの看板があり、気付けば幾つもの病院が人を待っている。

やっと決まった会社を3日で辞め、新聞広告の胡散臭さに驚きながらも丸をつける。
都心見物に出掛けて来よう。

名前と履歴書なんて、あってないようなものなのかもしれない。
時間がない。次の時代が来てしまうよ。

私は、鏡を覗き込み、前髪を整えた。
時代において行かれても、なんとかなるだろう。

だが、後ろを振り返ることは許されない。
明日を未来に変えるため、メンタツメンはあるきだした。