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「声豚」が発狂するということについて

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昨今の人気声優は、完全にアイドル業を兼ねているといってもいいだろう。
idolの意味を辞書で引くとこう出る「偶像, 〔キリスト教〕偶像《神以外の神像》;偶像神, 邪神」人気者にこの言葉を当てはめた人は本当に凄いと思わざるを得ない。文字通り偶像である。偶像であるから、ファンは思い思いその「勝手」な理想をこの神に押し付ける。彼らの中一つ一つにその声優の「真実」が存在するのだ。
しかし、idolという言葉の意味はほかにもある、「幻影、幻」とでる。確かにその理想は真実ではありえない。アイドル業、この文中では「アイドル声優業」とさすのが正解だろう、は騙し騙されにはいたらない、理想の人の創造とそれを受容し、各々が解釈するということによって成り立っている。しかしこの解釈の度合いこそ、いわゆる「声豚の発狂」を生み出すものではないかと考える。「偶像」は信仰の対象であるがゆえ、人によってそれに対する想いが違ってくる。彼氏ができたり、ネットユーザーにとって「鼻につく」ことを彼女らがしでかせば、(正確に言うと表に出たら)創り上げられた「偶像」はあっという間に邪神に変わってしまう。この偶像は人工的に作られたものであると理解できる多数の人はいいように諦めることが可能である。私は良きファンとはいい具合の諦める事のできる人間だと思っている。どれだけ好きな女がいたとしても、振られて追い続けていいことはあまりないのと同じである。しかしこの創られた偶像の崩壊に耐えられない人もいる。これが発狂の正体であると考える。崇拝が行き過ぎるあまりにそれが幻影、幻であるということに気付けない。宗教の過激派が人命よりも信仰を優先するのと同じく、彼らもまたその偶像を信仰することが何より重きをおかれることなのだ。それが崩壊するとき、彼らは耐えられない。確かに、同情はできる。崩壊する痛みはおそらく誰であれ、ファンであれば差があるにせよ皆感じるであろう。しかしまた私たちはしっかり把握しなければならない。それは「真実」ではないという事を。あくまで一時を楽しむための設定なのだから。幻影、幻であるということをなにより私たちは一番におくことが必要であろう。アイドル声優に限らず何かを信じすぎることは、それが崩壊したときに耐えられることができなくなるリスクを生むのである。私たちはいつでも崩壊したときに耐えられるよう、心のスペースをしっかり開けておく必要がある。


以下補足
idol
【名詞】
1偶像, 〔キリスト教〕偶像《神以外の神像》;偶像神, 邪神.
2崇拝される人[物], アイドル.
3誤った認識, 謬見(びゅうけん), 誤謬.
4((古))幻影, 幻.
5((廃))像, 虚像;ぺてん師.