「恋愛病院 不倫病棟」 第二十回
「え~と、この次は・・・これ本当に聞くの?って質問ね。
先生に怒られそうだけど、これも実態だから聞いてね。
彼のエッチが下手で感じません。どうしたらイケるのか教えてください。
先ずね、皆さんの年頃では身体の発達が十分じゃないから、必ずセックスでイケるとは限らないの。それは彼が下手というわけじゃなく、まだお互いに未発達なだけ。心配することは無いわ。
それに、恋愛はねお互いの気持ちの問題。身体は付いてくるものだから、本当に心から好きになって愛し合っているなら満足するはずよ」
「先生?これで答えは良かったですよね」
会場に笑い声が聞こえた。
早奈枝はもっと具体的にそしてセックスを奨励するような発言がしたかったが、この世代では未熟な女の子がたくさん居るので遠慮していた。
さて、質問コーナーも最後になっていた。
「では最後の質問です。これはみなさん経験があることですよね~
小学校6年の時に指で触っていたら母親に見つかり、そんなことばかりしていたらそこが黒くなって大人になってお嫁に行けなくなるよ、と怒られました。それ以来出来なくなりました。これって本当ですか?
そうね、男の子でも見つかったら、そんなことやっていると身長が伸びないぞと注意されたりするのよ。親から見れば子供がセックスに関心を寄せることには過剰な心配を感じるの。
黒くなるというのはウソ。私なんか皆さんのお母さんより数倍、いや数十倍たくさんの男性と若い頃、皆さんぐらいの年齢から経験してきたけど、黒くなんかなってないの。
これは生まれつきね。ピンクだから可愛いのはお洋服だけね、ハハハ~」
「今日は皆さんとたくさんお話が出来て嬉しかったです。最後に私共恋愛病院から生徒全員にお話したエイズ防止と妊娠防止のスキンを差し上げたいと思いますので、彼に必ず着けてもらうようにしてくださいね。拒否するような男性はそこで別れなさいね。好きでもよ。
お家に持って帰ったらお母さんに言うの。これは先生が話してくれた、お守りだって。
自分の体を自分が守るために持っているんだとね。
解りましたか?」
「は~い」
大きな声は早奈枝を安心させた。
若気の至りで妊娠することは最大の悲しみだと思うからだ。命の大切さを同時に話すことが今回の目的でもあった。
作品名:「恋愛病院 不倫病棟」 第二十回 作家名:てっしゅう