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顔。

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*ここでは自分1人の空間以外を社会という括りとする。
※ここに記されている事は書き手個人の見解です


今、貴方が見ている「私」という人間は嘘偽りない本物の「私」なのだろうか。
1人で居る時は1人で居る時の自分がいて、家族や友達と居る時はまた別の自分が存在している。
どの場面にいる時も紛れもなくそれは「私」であり、勿論の事ではあるがこの世に存在している。

じゃあ、本当の自分とは一体何なのでしょうか?
ONとOFFに感じる違和感とは?

ここから先はあくまでも持論である。
1人で部屋にいる時キッカケがない限り笑い転げるなんて事は無いだろう。
何も無しに1人笑い転げるなんてただの"変態"だ。
例えばテレビを見て笑う、友達からのメッセージを見て笑う なんて事があるだろう。

では、外に出て多数の人間が居る場合はどうだろう。
一緒に居る人間の関係性にもよるが外に出れば誰にでもある"外用のスイッチ"が入り言動や行動にも1人の時とは変化する。
相手が親しい友達ならば多少だらしなくても済むが、これが上司や先輩だとそうもいかないであろう。
聞きたくもない愚痴や面白くない親父ギャグを聞かされても不本意だが笑わなきゃいけない。
そうでもしないと常識が無いと言われ、人間社会から外されてしまう。
だが、この行動自体誰に教えて貰った訳でもなく、この世に生を受け社会という場所に出て行くにあたってだんだんと自然に身についたものだと思う。
何故そんなものが身についたか。
それは生きていく為、その場所に順応する為である。
「気がきく人」や「空気が読める人」と言われる人達はその場所や環境に順応する能力が優れた人だと思う。
果たしてそれが良い事なのかそうで無いのかは置いておいて自分1人の空間から出た時に重宝されるのは確かだ。

最初にも書いたが、どんな場面に身を置いてどんな「私」でもそれは紛れもなくその人自身であって嘘偽りない「私」なのである。
一歩外に出て学校や職場に行けばその顔をした「私」が居て、人に会えば人に会う用の「私」が居る。
言い方悪いがそうして場面に応じて変化のが表情や行動であったり、喜怒哀楽であると思う。

表情のない顔を"真顔"と呼ぶが"真顔"も立派な表情だと思う。
真顔の裏に考え事であったり、悩みや気持ちがあればそれは表情として成立するはず。
真顔であろうと思えば思う程それは表情になり喜怒哀楽に分類される。
逆に何も考えてない時や何かに集中している時、無意識状態の時は本物の"真顔"になると思う。

笑う事、泣く事、怒る事、悲しむ事には少なからず理由がある。
だが、"真顔"については理由が無い。
本物の自分というものを解く鍵は真顔にあるのではないかと考える。

自分1人の空間にいる時は少しでも自分が居たい自分で居られる。
そこに第三者が加わるといくら親しい人でもスイッチが切り替わりその第3者 対 自分の顔になる。
何回も言うが、それも紛れも無い"私"であり表裏を使い分けているのでは無い。

自己紹介と言うのは相手に自分を知ってもらう為にする。
その時、趣味や特技を紹介して印象ずけたり会話を広げるキーワードを探す。
そこで出会いが生まれて人の輪が作られていく。
初めましての時の印象で今後の付き合いが変わる事もある。
見た目怖そうな人でも話してみたらそうでもなく実は猫が大好きなんて事もあれば、絵に描いたような真面目な人が実は裏で悪さを…なんて事もある。
人は見かけによらないのだ。

どんな場面でどんな顔をしててもそれは嘘偽りもないこの世に存在する「私」であるがそこに疑問を持った時、本物の自分というものが分からなくなる。
多分、皆なりたい自分というものがあってそれを目指し努力する。
なりたい自分となれる自分というのは違いがあり、そこに近づける人も居れば嫌になる程遠ざかっていく人も居るであろう。

まとめると
なりたい自分となれる自分というのは反比例する。
けれど、そのどちらも「私」であることに変わりなくその矛盾を無意識のまま背負い生きていく訳で、自分1人に見せる顔と第3者が居る時に見せる顔が違くともそれを"普通"と呼ぶか"違和感"と呼ぶかは結局その人次第という事になるのだ。
喜怒哀楽や真顔もその一つに分類されると思う。

最後に
日常に転がっている違和感について改めて考えてみると無意識というものが多く、その無意識を意識してやる事により今まで感じていた疑問や違和感が少しでも解決すれば楽しい時間が増えると思う。
そして今まで感じなかった違和感がまた生まれ一つずつクリアしていく事によって見えてくる世界や新たな価値観が生まれると考えた。

作品名:顔。 作家名:晴夏(せな)