言いたい言葉、伝えたい言葉
なんで言葉にするのは難しいんだろう。
喧嘩をするつもりはなかったのに、
悲しませるつもりはなかったのに、
嫌われるつもりはなかったのに。
言いたい事が、言いたい気持ちが、
空回り 空回り 空回り。
伝えたい事が、伝えたい気持ちが、
空回り 空回り 空回り。
君にはなんて伝えればいいんだろう。
君にはなんて話せば嫌われちゃうのかな。
言いたい事も、言いたい気持ちも、
喉の奥から離れない。
伝えたい事も、伝えたい気持ちも、
頭の中で警報が鳴ってくる。
それなら言わない。伝えない。
自分の頭を覗かせたくない。
誰とも話したくない。
話したときの嘲弄や、
伝えたときの玩弄や、
告白したときの憫笑は、
心の中に残り続けるから。
嫌な思い出ばかり残り続ける。
しこりのように残り続ける。
だから、誰とも喋らない。
そんなことを続けていたら、
僕の周りは誰もいなくなってた。
喧嘩をする人もいなくなった。
悲しませる人もいなくなった。
嫌われる人もいなくなった。
話したい人も、伝えたい人も、
友達もいなくなった。
僕は孤独になってしまった。
こんなことをしたかったわけではないんだ。
一人ぼっちになるつもりはなかったんだ。
伝えたい気持ちはあるのに、言いたい気持ちもあるのに、
空回り 空回り 空回り。
なんで言葉は苦しいんだろう。
なんで話すのは辛いんだろう。
なんで一人は寂しんだろう。
一人は嫌だ。苦しいのは嫌だ。
辛いのも、寂しいのも嫌だ。
だから今日も人と話す。
辛くても、苦しくても、
自分の言いたい気持ちが相手に届くまで。
自分の伝えたい言葉が分かるまで。
話し続けるだろう。
ああ、今日もまた失敗してしまった。
空回り 空回り…
でも、次はがんばろう。
作品名:言いたい言葉、伝えたい言葉 作家名:伊予カン