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てっしゅう
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「恋愛病院 不倫病棟」 第十六回

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「お次の方、診察室にお入りください」

そう案内した里紗は訪ねてきた若い患者に一目惚れした。
それはまるでジャニーズ事務所からやってきたような容姿だったからだ。

「お名前、年齢、職業教えてください」
鉄男は尋ねた。

「はい、結城と言います。25歳です。仕事は少し前までホストをやっていましたが、今は辞めて美容師になるために学校に通っています」

「どのようなお悩みでしたか?」

「美容学校で知り合った20歳の彼女と、この前初めてホテルへ行ったんですが、大きくならずに出来なくて嫌われてしまいました。自分では出来ているのでEDではないと思うのですが困っています」

「お若いのに不思議ですね。彼女さんはどのような容姿なんですか?」

「はい、学校では一番と言われるほど可愛いと思います」

「それなのにダメだったと・・・精神的な問題ですね。何か思い当たることはありますか?」

「ホストをしていた時に、たくさんの女性からいわばセクハラ行為を受けていました。お金出してもらっているのでそれもサービスの一つと感じながら続けてきました。ある意味女性不信と言いますか、ボクには男女はそうあるべきではないとの思いがどんどん強くなっていました」

「なるほど。女性は可愛らしく、おとなしくするものだ、と言う自分の中の理想ですね。彼女さんは積極的だったのですか?」

「はい、ホテルに入るといきなり抱き付いてきて、キスして、ボクの大事なところも触ってきました。それが喜ぶと思ったのでしょうね」

「ホスト時代の女とおんなじだ!こいつも・・・って感じたのですね?」

「その通りです。急に冷めてしまって、口でしてくれても勃たなくなっていました。そしたら、急に怒りだして、何で誘ったのよ出来ないくせに、と言われてしまいました」

「彼女さんとしてはそれまでちやほやされて、それなりに男が興奮することを経験してきたから、バカにされているという思いに駆られたのでしょうね。悲しいことですが、思い上がりですね」

「先生、ボクは自分の感じ方が間違っているのでしょうか?女性に清潔感とかを求めること自体差別にとられることなのでしょうか」

「清潔感はバージンと言う部分ではないですよね?」

「はい、それを求めることはいけないと思っています」

「なら、良いです。その彼女さん以外の女性とはそれまで普通に出来ていたのですか?」

「恥ずかしいですが、童貞です」

童貞!この言葉の響きを里紗は傍で胸がトキメク思いで聞いていた。