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意味を持たない言葉たちを繋ぎ止めるための掌編

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赤青黄の光彩



夏夜の宿 うたた寝する僕の頬を君は抓った
花火の音がする と君は言った
耳を澄ませると 遠くで花火が弾けた

ふいに僕の浴衣の裾を 君は強く引っ張った
小さな溜息をついてから 少し見に行こうか と僕は言った

君は跳び跳ねて喜んだ 僕らは手を繋いで温泉街を歩いた
辺に漂う湯煙 立並ぶ橙の街灯 夜の匂いを二人で愉しんだ

祭りはひっそりとしていた 水に浮かぶスーパーボール
決して倒れない射的 真赤な焼林檎

それでも 君は愉しそうだった
君の瞳に投射される 赤青黄の光彩はいつまでも奇麗だ