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吉葉ひろし

novelistID. 32011

母の冬支度

第九の合唱を聴きながら

母を想いだす

１２月３１日の枕元には

新しい下着が毎年揃えてあった

高校生になっても

『自分で出来るから』と言っても

母は高校卒業まで同じことをしてくれた

新年はいつも

新しい下着で迎えることが出来た

気持ちも新しくなれた

いまではいつでも

新しい下着が買えるから

嬉しいなんて感じない

懐かしい母の冬支度

作品名：母の冬支度　作家名：吉葉ひろし