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かなりえずき
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novelistID. 56608
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ノベリスト首脳会談はこちら

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「議題は2つあります。
 最初の議題はノベリストの顔作家の条件です」

ノベリスト首脳会談に集められた4人の天才たち。
短編の達人。
長編の人気作家。
詩のエキスパート。
エッセイの賢人。

どれもノベリストでは名前を見ない日はない。

「問題なのはノベリストそのものの認知度だ」
「ここらで、このサイトを人気出さなくては」
「そのためには顔作家が必要だ」

というわけで、首脳会談が行われた。

「さて、顔作家に必要な条件はなんだろうか?」

しばらくの沈黙の後、短編がひと案上げた。

「まず、自分の作品に妥協しない奴だろう」

「というと?」

「アホみたいにゴミ小説を量産するのじゃだめだ。
 "この人の作品は失敗しない"というのが必要だろう」

4人の天才たちは全員納得した。
顔作家たるもの、数を多く書くよりも良い作品を書くべきだ。

次に、長編が手を挙げた。

「もうひとつ、大事な要素を忘れてないですか?」

「なんです?」

「完結させることです」

ああ、と再び4人は納得した。

「終わらない作品を書くことは誰でもできます。
 一方で、きちっと収められる力がある人こそ顔作家です」

ダラダラと長く続けていては、
せっかくのブランド力も錆びてしまう。
長編作家はそのことを誰よりも認識していた。

それを聞いて、詩が手を上げる。

「私からもいいですか?
 顔作家に必要なものの一つに、文章があると思うんです」

今度は全員の頭に「?」が浮かんだ。

「顔作家に求められるものは、表現力だけでなく文章。
 誰にもでも好かれやすい文体であるのが必要です」

「なるほど」

同じ内容でも、好かれる文章と嫌われる文章がある。

「いいや! それだけじゃない!
 全員、このサイトがSNSだということを忘れている!」

エッセイが立ち上がった。

「SNSでの評価は作品だけじゃない! 人間性だ!
 自分と近い感性を持っていることを伝えなくては!」

「さすがだ!」

エッセイの言うことはもっともで、
顔作家たるもの常に庶民派でなければならない。

作品はいいのに、たまに投稿する日記などで
悪口をぐちぐち書いていれば作品を評価しずらくなる。

「この作家が好き!」=「この作家の考えが好き!」

と誤解を恐れて評価がされにくくなるためだ。
そういう人間心理について、ことにエッセイは敏感だった。

「ようし、出そろったな。
 では顔作家の条件をまとめよう」


・決して作品に妥協しない
・必ず完結させる
・全員に好かれる文体
・絶対に嫌な面を見せない


顔作家の条件がまとまった。




「では、次の議題です。
 この中で、顔作家になれる人は誰ですか?」

全員が一斉に退席した。