小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

必ず順番通りに進めろ!

INDEX|1ページ/1ページ|

 
「お父さん、娘さんを僕にください!」

「ふん、お前のような若造に大事な娘を渡せるか。
 最近の若い奴と来たらルールもろくに守れない。
 ルールすら守れないのに、娘が守れるわけがない」

「それは違いますよ、お義父さん。
 僕はルールと手順をなによりも重んじる男です。
 娘さんとの関係も順番をことごとく守ってまいりました」

「ほう、聞かせてもらおうか」

※ ※ ※

僕はとにかく手順を守らないと気が済みません。
昔から説明書を熟読するタイプなのです。

娘さんとの関係も順番通り進めてきました。

「ねえ、私たちってもう付き合っているのよね」

「ああ、もちろん。
 あの夜から僕は君の恋人だ」

「だったら、デートに行かない?
 付き合って1ヶ月になるのに
 まだ食事しかしていないじゃない」

「ダメだ! まずは食事を5回重ねて。
 その後にデートへとステップアップするのが
 正しい順序であり手順なんだ! 例外はない!」

「そ、そう……」

このように、僕はとにかく手順を重んじ
娘さんとの交際もすべて順序通り進めました。

「そろそろ私の家に来ない?」
「ダメだ、恋人の家に行くのは
 4回目のデート以降じゃないと」

「最近、ぜんぜんキスしてくれないわね」

「3回目のデートと12回目のデートじゃないと。
 手順を守らないと、僕らの関係も悪化してしまう」

※ ※ ※

「――ということです。
 これで僕がいかに手順を守る男だとわかってもらえましたか?」

お義父さんは複雑な顔を娘に向ける。

「お前は、この男のどこがいいんだ?
 話を聞いているとただただうっとおしいだけに見えるが」

「確かに手順を守りすぎるところはあるわ。
 でも、だからこそ連絡を欠かしたことはないし
 手順以外のことはしないから安心できるのよ」

「なるほど、確かに浮気はしないだろうな」

お義父さんの顔がここに来てやっと和らいだ。

「わかった、君に娘を譲ろう。
 手順を守る君なら娘を悲しませることはしないだろう」

「ありがとうございます!
 これからも娘さんを幸せにする手順を守っていきます!」

僕はお義父さんと固い握手を交わした。
親子の絆と、僕に向けられた信頼が掌越しに伝わった。

「最後に、君が娘と結婚に至った理由を教えてくれるかな?」





「あ、子供ができたので」

「順番逆じゃねぇか!!」