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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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絶対にいらないテレビショッピング

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「絶対にいらないテレビショッピング~~!!」

宣伝マンはカメラの正面で手をたたいた。

「みなさん、今日ご紹介するのはこちらのパソコン!
 なんと軍事用に使われるほどハイスペックなんですよ」

初登場ゲストの女が首をかしげる。

「えと……でも、いらないテレビショッピングなんですよね?」

「もちろんです! こちらの商品をお買い上げいたしますと、
 必ず購入したことを後悔することを保証いたします!」

「それじゃ、このパソコンはやたら扱いにくいとか?」

「いいえ! ご安心ください!
 こちらのパソコン、機械苦手な主婦でも扱えるように
 ジャネパットがしっかり設定したうえで私がお届けします!」

試しに女はパソコンを軽く操作してみるが、
普通のパソコンと同じように使え、
それどころかほかのパソコンよりもずっと使いやすい。

「いいパソコンですね、すごく使いやすいです」

「でしょう!?
 ジャネパットが自信をもっておすすめします!」

「でも、いらない商品なんでしょ?」
「はい、購入者は全員返品しております!」

「……それじゃすぐ壊れるとか?」

女が聞くと、スタジオの後ろから
ハンマーを持った屈強な男がやってくるなり
その鉄槌をパソコンの上にたたきつけた。

が、パソコンはびくともしない。

「見てください、このボディーー!
 頑丈でしょう? アフリカゾウに踏まれても壊れません!」

「でも、買うと後悔するんですよね」
「いらないテレビショッピングですから!」

「値段が高いとか?」

「そこは、お任せください。
 ジャネパット、しっかり努力させていただきました」

社長は値段発表の前にためを作って興味をひかせる。

「お値段据え置きの、1万円でいかがでしょう!」

「安っ!」

思わず女も心の声がそのまま口から出てしまった。
普通のパソコンなら安くても4、5万はする。

「でも……送料が本体より高いとか?」

「ご安心ください、送料もジャネパットがご負担いたします」


「1台注文すると、勝手に30台くらいついてくるとか?」

「ジャネパットはそういったあくどいことはいたしません!
 いつも消費者の皆様と同じ目線です!」


「GPSを送信したり、個人情報を勝手に送信するとか!?」

「ジャネパットはお客様から頂いた個人情報については、
 しっかりお取り扱いするので、勝手に送信したりはありません!」

いくら聞いても完璧な返答しか出てこない。
どこまで掘り下げても、この商品の素晴らしさをより強めるだけだった。

「では、付属品の説明を!
 私から、パソコン用バッグ、カバー、画面保護シート、
 保存用ハードディスク、ストラップ、ソフトウェアですべてです!」

「こんなに……!?」

「ですが! お値段変わらず!
 1万円でご提供いたします!!」

「買います!!」

女は思わず声が出た。
さんざん聞いたがこの商品に欠点はない。
あったとしても、これだけの良い商品なんだから気にならないだろう。

「ありがとうございます!
 では、私がしっかりお届けさせていただきます!」


いらないテレビショッピング終了後、
女は家で商品が届くのを楽しみに待っていた。

ピンポーーン。

「来た!!」

玄関にはパソコンの箱を持った社長が。

「お待たせいたしました、商品です」

中身を確認してみても変なところはない。
付属品も全部そろっているし、値段もそのままで安心した。

「ネットにもつながるし、やっぱりこの商品完璧だわ!」

「そうでしょう?
 ジャネパットは自信のある商品しか提供しません!」

「あの……」
「なんですか?」

「社長はいつまで私の家にいるんです?
 もう商品は受け取りましたよ?」

「いつでもサポートできるように、
 付属品には私も含まれているんですよ」

社長ははじけるような笑顔でパソコン横にスタンバイ。
パソコンを操作すると、欠かさず実況してくる。

「ご覧ください、このボディーー!」
「驚かないでください~~ここにダウンロードボタン!!」
「さぁ、今すぐクリックを! 限定ですよ!!」


「うるさいぃぃぃ!!!」

使用後、すぐに私はパソコンを返品した。



「もちろん送料はジャネパットが負担いたします!」