白昼夢
耐えられないことなんてないさ
何度も言い聞かせた言葉が
心と身体から抜け出てゆく
まだまだいける
これからだ
強いはずの自分が
理想の姿が
夜明け前の星のように
光を失っていく
もうダメだ
逃げてしまいたい
努力が報われるなんて大嘘だ
うまく切り抜けていれば人生なんてすぐ終わる
頑張らなくたっていい
向き合わなくたっていいんだ
大嫌いな弱音が
耳の奥でこだまする
苦しいんだ
寄り添ってくれるだけでいい
耐えられないんだ
この重圧は一人きりじゃ押し返せない
だから少しだけ
ほんの少しだけでいい
大丈夫と言ってほしい
優しい言葉をかけてほしい
強くはない自分でも
理想には程遠い無様な姿でも
太陽が沈めばまた
気付いてもらえる
もうすこし
やり過ごしてみよう
ぬくもりに救われるなんて陳腐だけど
へたに嘘をつくよりまだマシだ
強がらなくていい
逃げたっていいんだ
やわらかな響きが
耳の奥でこだまする