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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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一方通行のカスタマーサポート

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お客様カスタマーサポート研修へようこそ。
ここではお客様からの声を一緒に学んでいきましょう。


>ふざけんな!死ね!!
>もうこんなところ居たくない!
>こんなのおかしい!かえしてくれ!
>帰りがないなんておかしいだろ!!


おやおや、のっけから痛烈ですね。

お客様の中には好意的な人もいれば
同じくらいの否定的な人もいることをまず知りましょう。

まして、旅行会社ともなれば
自分の理想通りじゃなかっただけで非難されます。

でも、ここで慌てて
「すみません」とか「ごめんなさい」と謝ってはいけません。


>いい加減にしてくれ!早く返事しろ!
>絶対許さないからな……絶対に……


どうです? クレーマーが減ったでしょう?

もし、さっき謝っていた場合
彼らは自分の考えを正当化してもらったと思えて
さらに文句をつけてくるようになるんです。

さて、残った2人のクレームは
最初と比べてガチギレ感が半端ないですが恐れてはいけません。



>殺す殺す殺す殺す殺す殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺
 殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺
 殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺



うわぁ! 驚きましたね、怖いですよね。

ですが、よく見てください。
クレームの人数が減ったでしょう?

クレーマーの文句はどんどん過激になっていますが、
あえて相手にしてあげないことで手ごたえを失い
結果として、自然消滅して土にかえってくれるんです。

大事なのは、同じ土俵に立たないこと。
私たちは常に冷静な心で対応しましょう。


研修生のみなさんはこのことをよく理解してくださいね。
さて、続きの投書を見てみましょう。

















ないですね。
ついにクレームつける人はいなくなりました。

繰り返しになりますが、
大事なのは"相手にしない"ということです。

クレーマーというのは、
それが正しいかどうかの証明よりも
誰かに相手にされることを求めている寂しがり屋なんですから。



さて、今日の講習はここまでです。

質問がある人は挙手して下さ……ああ、そこの人、どうぞ。



「先生、でもこのクレーマーって、
 無人島行きツアーの参加者ですよね?
 それってつまり……」


ほかに質問ある人は?
いない?

それでは講習を終わります。



それじゃ今質問したやつ、無人島行き決定な。