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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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勇者と魔王の婚約会見

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「このたび、婚約させてもらうこととなりました」

魔王と勇者は二人仲良く並んで
村人たちに婚約発表した。

「最初は敵としてしか見られなかったんですが、
 何度も戦っているうちに好意にも似た感情が……」

「私も、勇者と戦ううちに世界を支配することよりも
 勇者の心を支配したくなってきて……」

二人のノロケ具合にはうんざりだったが、
まったく違く角度から世界は平和になったので
村人としては願ったりかなったりだった。

「いやあ、よかったよかった。
 これで世界は平和になるだろうな」


勇者(♂)と魔王(♀)の結婚から数日、
ふたたび世界は危機のどん底へ叩き落とされた。

「城を守るドラゴンと浮気するなんて信じられない!
 信じてたのに! 離婚よ! 離婚しましょう!」

「ちょ、ちょっと待ってくれよぉ」

勇者はこともあろうに浮気してしまった。
これがきっかけで二人の関係は離婚街道まっしぐら。

困るのは村人たちである。

「まずいぞ! このまま離婚されでもしたら……。
 世界はふたたび魔王によって魔物だらけになってしまう!」

村人たちは必死に勇者の弁明につとめた。

「魔王様、勇者はたしかに浮気をしました。
 しかし、ここでしっかりお灸をすえてやればもうしません。
 これは将来の浮気根絶のためのいい機会となるでしょう」

「そう……? それじゃあ……」

魔王をなだめすかした村人により、
離婚の危機、もとい世界の危機は防がれた。

「これでもう安心だ……」



その数日後、再び離婚の危機が世界を襲った。

「もう信じられねぇよ! 離婚だ離婚!」

今度は勇者が離婚を切り出した。

「どうして離婚なのよ!?」

「毎日、飯も作らないし、恋人の時みたいに
 身だしなみにも気を付けないし……屁もこくし!!」

勇者は結婚後も魔王に"女性"であり続けることを求め、
それが達成されていないことで、
前から知っていたはずの"家庭的ではない"ところまで蒸し返した。

困るのは村人たち。
なんとしても世界の危機から救わねばならない。

「勇者よ、相手の欠点をあげつらうのはよくない。
 相手の欠点は自分が補うためにあるのだと考えるのだ。
 さすれば、相手があなたの欠点を補ってくれるはず」

「そうか……俺、間違っていたよ」

村人のネゴシエーター真っ青な説得術で、
二人の仲は再び戻り世界は平和を取り戻した。


それから数ヵ月後、大事件が起きた。


「おぎゃあ! おぎゃあ!!」

ついに二人の間に子供が生まれた。

「ねえ見て。顔はあなたにそっくりよ」

「そうだな、それじゃ心は君にそっくりだろうね」

幸せなのは夫婦だけでなく
村人たちも天地をひっくり返したように喜んだ。

「ついに子供が生まれたぞ!
 これで彼らも安易に離婚だといわなくなる!」

と、同時に二人が離婚しそうな原因を先回りして考えた。

「あるとすれば……子供の教育方針でモメるだろう」

またケンカして村人が間を取り持つことになりそうなので
村人は魔王と勇者にアドバイスを授けることに。

「いいかい、子供は君たちの所有物じゃない。
 ペットでもない。子供の意思を尊重するんだよ」

「ああ、もちろんだとも」
「ええ、わかってるわ」

これまで幾度とお世話になった村人の言葉とあり、
二人はすぐに承諾し育児にはげんだ。

「ばんざい! これでもう一生平和だ!!」




数年後、子供が成長すると、両親に告げた。

「父さん、母さん。
 僕はこの世界を征服するよ!」

夫婦は迷うことなく子供の意思を尊重した。