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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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秋恋

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秋の白い雲



蒼い高い秋の空に

白い白い雲が流れて行く

本当の白さを感じる白い雲

赤とんぼの赤い姿がくっきり見える

それは小さな飛行機にぼくには見えるのだ


わずかの間に

白い雲は鼠色に変わり始めた

赤とんぼの色もはっきりしない

何もなかったのに

何も変わらないのに


周りの景色が

僕と君を変えてしまったのだろうか

わずかな時が

流れたから

蒼い高い空に

君は消えて行きそうだ


白い白い

君のままで消えて欲しい

ぼくはその雲のなかを

飛び回っていたい

君を捜したりはしない

想い出を捜すのさ


作品名:秋恋 作家名:吉葉ひろし