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かめとこうら

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あるところにかめさんがいました。
かめさんは歩いています。
何かに向かって前を向いて歩き続けます。
のんびり屋とかいわれても歩き続けます。
あまり休まず進み続けるかめさんを見て頑張り屋だねと応援してくれても
かめさんはゆっくりしか進めないからと自分にできることをやっていくのでした。
 
そんなかめさんを心配しながらいつもみているのはこうらです。
こうらはかめさんの上に乗っているだけの自分をいつも責めていました。

『かめさん僕が重いから早く動けないんだろう?いつもごめん。』
 こうらはただ運ばれているだけの自分が嫌でした。
ただのお荷物じゃなくて対等でいたいという思いが常にありました。

『こうらくん、ぼくが早く動けないのはきみのせいじゃない。きみがいなくなってもぼくは遅いままだよ。それにぼくがずっと歩いていられるのはきみのおかげさ。きみのおかげでぼくはいつも助かっているよ。危ない時に君が中に入れてくれるから。』
ですが、それはかめさんもいっしょでした。
自分の身を守ってもらうばかりで、何もできない自分。
そんな自分を守るために傷ついていくこうらを見るたびに悲しくなっていたのでした。

『かめさん…、ありがとう。』
『ううん、ぼくこそいつもありがとう。』

そうして彼らは自分にできることをして、できないことを補ってもらいながら歩いていくのでした。
どこまでも。
作品名:かめとこうら 作家名:悠理