ハイパー将棋[龍]
「へっ! そいつはどうかな? 特訓の成果見せたるで! イナーシャル・ドリフト!」
「な、なにぃ! そんなばかな! 飛車が斜めに動くだとぉ?」
「どうじゃ! ナイアガラの瀧に打たれて修行した成果じゃ!」
「く、くそう、しかし、王将を隅に追い詰めたでぇ! もう、逃げ場はないぞ!」
「ふ、だから、お前さんは頭が固いってぇんだよ。いくぜ! ビッグ・盤!」
「な、なんと……、将棋盤が広がった」
「どうや、富士の樹海を3年さまよって会得した技じゃ!」
「ふんっ、しかし、今度は、どうにもならんじゃろう。周り中から取り囲んだ。完全に詰んだで!」
「仕方がない。あれを使う時が、来てしまったようだな。メテオ・クライシス!」
「ば、ばかな、王将が巨大化して将棋盤を覆い尽くした!」
「これで、お前の駒は、すべて取った。もちろん玉将もな」
「しかし、おまえの王将以外のすべての駒も犠牲に……。お、お前それでも人間か?」
「ふ、俺か? 俺は、ハイパー将棋[龍]だ」