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からっ風と、繭の郷の子守唄 1話~5話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(5)
「赤城の長い裾野と、フォルツァ(FORZA)というスクーター」

 朔太郎の橋を渡り、左岸の遊歩道を5分ほど行くと康平が愛車を置いている、
2輪ショップの裏手へ出る。
「ウナギの寝床みたいな場所だよ」と悪口を叩きながら、
康平が先へ進んでいく。
人ひとりがようやく行ける狭い路地道を、ジグザグに歩いて行く。
視界がひらけると、2輪車が並ぶショップの表通りに出る。
一番手前に康平の愛車。赤とシルバーに輝くヤマハの、シグナスXが
置いてある。



 「あらぁ、これが康平の愛車なの。
 お洒落れで、可愛い雰囲気が漂っているスクーターですねぇ。
 それにしても・・・・台湾でよく見かけるスクーターの形にそっくりです」



 「よお、康平。あれれ、珍しいことがあるもんだ。
 康平が女を連れてやって来るとは、・・・・こんにちは、お嬢さん。
 海外向けの、こまかい情報を良く知っているねぇ。
 これはもともと東南アジアと、欧州用に開発されたヤマハの戦略モデルだ。
 高機種は売れないと言われている台湾でも、良く売れている。
 ということは、もしかしたら君は、台湾の人なのかな。もしかして?」