ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮)
地獄の幕開け
9:00
市花は小百合の「逃げて!」とい声に逸早く反応し、その場から走り出した。逃げる場所は森の中だ。3時間程、無我夢中で走っていた為、かなり疲れていた。市花は木陰に隠れ鞄から水を取り出し一口飲んで一息付いた。
「…はぁ…」
そして思う。
どうしてこんな事になっているんだろう?と。
自分は軍に入るために来たのに…と。
今更ながらに少し後悔した。でも3日間耐えればヴァリング軍に入団出来る。それまで生き残る事が絶対条件だが。
市花は水を鞄の中に入れるついでに鞄に何を入れたか再確認をした。
鞄の中の持ち物
○水
○チョコ
○小さな小型ナイフ
○回転式拳銃と弾丸
○煙爆竹
○方位磁石
の6つが入っていた。
この中で武器になりそうな物は回転式拳銃と小型ナイフと爆竹だけだった。
市花は腕時計を見る。
9:30
自分のほっぺをパンッと叩き気合いを入れ直す。
「ん、よし!行くか」
市花は立ち上がり前を向いた。
そして再び歩き出す。辺りに敵の気配はない気はする。緊張はするが気にしていても仕方がない。戻れるのなら戻りたいが正直どうやってここまで来たか覚えていないし、方位磁石を使っても全く反応しないため樹海の中で迷ったのを承知で先に進むが奥へ奥へ行くたびに足場が悪くなってきていた。何気に霧も出て来ている。そんなに時間は経ってない筈だが一応気になって時計を見てみた。すると――…
作品名:ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮) 作家名:鳶織市