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佐崎 三郎
佐崎 三郎
novelistID. 27916
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「デリヘルの恋人たち(十)」

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「デリヘルの恋人たち(十)」

陰茎は自分の六本目、いや十一本目の指のように自分の意思で動かす。右へ左へ、奥へ前へと緩やかにまたは速やかに一mmの刻みで膣穴を駆け巡るのだ。その都度彼女の反応を伺いながら、或る時は持続させまたある時は予想を裏切るような行為へと移行させる。すると反応がますます激しく、いやらしく声が漏れ、膣穴も動く。

先ず一度目のアクメがきそうである。彼女は何回でもエクスタシーへとイケる。イクことが得意なのである。だからいくらでもイカせたいのだが、それはその日の流れで決めていく。無暗にイクことで飽きてしまうのも面白くはないだろう。腹八分目ならぬ穴八分目である。

「あああ、だめ、イッチャウ、イッチャウ、ああ、だめ~」
「いいよ、イッテいいよ、もっと、こう?こう?」
「あああ、ああああ、イクゥ!イクゥ~!!」
「ううううぁあああああああああああああああああ」
「イクゥゥウウウウウウウウウウウウウウウ!」

握り握られた腕と手の力が緩まっていく。汗はしっとりと全身を包み、心臓の音が響き渡っている。自分はイカせられた安心感で、陰茎の存在を無意識に確認している。まだまだ、いけるな、と。濡れてひくつくまんこを感じながら、彼女の悦に入る顔の中に、これでしか感じられない幸せを感じる。恋人でも妻でもない、言ってみれば見ず知らずの女を犯すかのように抱き、舐めまわし、チンコを舐めさせ、まんこをいたぶり、舌や指で柔らかな弱い部分を欲望のままにいじり、尻の穴の皺までをもマジマジと視ながら、濡れ光るまんこ、このまんこの偉大さ!と思いながら、指で拡げ、眺め、舐め、ほじくり、伸ばし、なめなめなめて、よがる声に陰茎は痺れ、膨張を極めていき、挿入の悦びを先送りしながら、乳首を舐め、舐めさせ、陰毛の感触に興奮しつつ、その中のクリトリスを、それも包茎のクリトリスを撫で、硬くなったそれを撫でまわし、陰茎はその下で前後に動きながら、声をかけるかのような優しさで内側から抱いているのだ。

まんこ、まんこが好きだ。このチンコの悦ぶ顔がみたい。まんこの悦ぶ顔もみたい。こんな幸せは、ここでしか、本当の悦びは得られないのか。本当の名前すら知らない女を好きになり、抱き、恥かしいことをやり尽くし、そこから先にも行けずに必死で腰を動かし、出来るなら一生このまま、このラブホテルの中で暮らせたらと叶わない夢に世界で、まるで助けを求めるかのように、女の肉体を求め、まんこにチンコを入れて、ああ幸せだ、ああ人生だと叫びたい!まんこ好きだ!きみのまんこが大好きだ!濡れてイッテくれ!声のようにイッテくれ!それが、それが、答えだ!まんこよ、永遠なれ!そこで私は射精する(死ぬ)!
(第一部 了)